テーラーは使用者が多いのに、なぜかスライド式は未勝利…。
PCM編集長・村田辰也(以下、P編) 「なんだよ、せっかく世界中がタイガーの復活を応援しているのに、また水を差すつもり?やめてくれよ」
PCM筒康博(以下、筒) 「まぁまぁ、一応聞きましょう」
筆者 「テーラーメイドって、2001年発売の『R300』シリーズが大ヒットして、以後長きに渡ってPGAツアーの使用率ナンバーワンドライバーという地位をキープしてきましたよね?メタルウッドカンパニーとして。でも、過去20年のマスターズで、わずか3勝しかしてないんですよ。しかも、今までマスターズではスライド式ウェイトのドライバーは勝ったことがありません…。
去年のセルヒオ・ガルシアの『2017 M2』もスライド式じゃないし、2003年のマイク・ウィアの『R580』ドライバー以来、なんと14年ぶりの勝利でした。その前は、1998年のマーク・オメーラの『Ti BUBBLE2』です。ここ20年以前だと、1994年のホセ・マリア・オラサバルの『BUNER』です。特にテーラーメイドはここ15年くらいはこれだけ使用プロが多いのに、マスターズにはちょっと縁遠いのが気になります…」
P編 「そんなことを気にするのは、世界広しと言えども君ひとりだよ!」
筒 「長岡さん、ここ20年だとどのメーカーのドライバーが勝ってますか?」
P編 「……(2人目がここに居たか…)」
タイト5勝、ナイキが4勝、キャロとPING、テーラーが3勝
P編 「というか、ただ単に強いプレーヤーが複数回勝っているだけの話しだろう?だって、タイガーが4勝、ミケルソンが3勝もしてるじゃないか」
P編 「関係ないよ。ちょっとタイガーとミケルソンを除外して出してみろって」
筒 「そっか、ミケルソンってキャロウェイのイメージが強いけど、その前はタイトリストでしたよね〜」
P編 「ほらみろ、これが本当のマスターズに強いドライバーじゃないのか?別にテーラーメイドはこう見ると弱くないじゃないか!マスターズ勝者とドライバーの性能を結びつけようとするのはやめろよ。ただでさえ、トッププロの使うクラブと一般アマは雲泥の差なのに、その粋のマスターズ勝者なんて、アアマチュアに一番遠い世界じゃないか」
筆者 「……。でも、大手外ブラ優勢の現状を表してません?昔はマルマンのアイアンも強かったし、ニック・ファルドもミズノたったのになぁ…」
筒 「長岡さん、PGAツアーって今でこそ隆盛ですが、昨日ミケルソンも会見で言っていたとおり、タイガーの出現で急激に視聴者が増え、観客も試合も賞金額も増えて巨大化したんですよ。そして、メーカーも急激にマーケティングを重視し始めた印象です。プロの使用率や勝利数、マーケットシェアをアピールする時代に入りました。でも、タイガー出現以前はメーカーもプロも玄人好みな職人の世界だったんです。
だから、実質はナイキが参入した2002年くらいからと、それ以前ではちょっと様子が違うと思います。クラブ開発もその辺りから急激に進化し始めたので、それ以前のメタルとパーシモン時代とは事情が違いますよ。それ以前はドライバーからウェッジまで一つのメーカーというより、ウッドとアイアンで別のメーカーを使用する勝者も多かったですし、アイアンセットが2番からウェッジまでが当たり前だったので。でも…」