雨中のラウンド。肝心のグリップ性能は?
――― パキーン ―――
神谷 「まったく問題ないです。この靴はフラットに感じると言ったじゃないですか、それはティグラウンドでも感じますし、練習場と同じように振れます。地面に近いし、アウトソール全体に凸起があるので、これも含めてしっかり雨でもグリップ力がいいですね」
筆者 「靴底がフラットって言われると、正直、芝の上ではグリップ力が弱いようなことも想像したんですが、そうじゃないんですね」
筆者 「まぁ、それはスタートホールだからですよ、これから暴風雨予報なので、そこで18ホール歩いたら普通はけっこう疲れますって。ちょっと、いろんなライを実験しながらのラウンドをお願いしますね」
つま先上がり&下がり、傾斜での安定感は?
アウトソールも適度にしなる構造なので、よりそのミッドソールと鋲の関係性が傾斜になると効いてくるのかもしれません。大げさに言うなら、どんなライでも練習場に近いフラットに保ち続けようとしてくれるというか…。そういうシューズというのは、今までなかったですよね」
筆者 「さっきもフラットに近い、地面と足が近いと仰ってたじゃないですか。それが傾斜だとより効いてくるってことですか?」
なんというか、例えるなら、『滑らないスパイクレス』って感じです。スパイクレスシューズを履くツアープロも増えてはきましたが、どうしてもまだまだ滑りやすいという印象があると思います。でも、履き心地のソフトさやラクさは捨てがたいと思っていた人に、最高の選択肢が出来たなと。このシューズはそんなイメージですね。
高機能の今までのハードなガッチリとしたスパイクシューズと、手頃で快適だけど、ちょっと滑るスパイクレスの間、クラブで言えば硬いステンレスのロングアイアンではなく、打感のいいカーボンのハイブリッドのような感じかなぁ」
筆者 「そう聞くと、ちょっと中途半端な気がしないでもないですが、必要な機能のいいとこ取りと言いたいんですか?」
神谷 「はい、もちろん」
途中、土砂降りにもなったが、防水性は?
なんでもこのアッパーの生地は2枚重ねになっていて間に浸水を防ぐフィルムが挟み込まれているそうですよ。レインウエアの作り方を応用しているみたいで、さすがはウエアでも数々の名立たるツアープロをサポートしてきたPUMAですね。」
筆者 「え〜そうなんですか!レインウェアの応用とは、それは凄い…(っていうか、神谷さん、めちゃくちゃ下調べしてるじゃん…。さすが、メーカー横断型のシューフィッターだわ…)」
まとめ:『イグナイト パワーアダプト ディスク』は、雨の歩きでも疲労感が少なかった!
神谷 「正直言って、疲れがないといえば嘘になります。この天気で歩きのゴルフって、疲れない人はいないでしょう。でも、いつもよりもかなりマシな感じがします。やっぱり、クッション性と履き心地の部分、軽さなど総合的に効いている感じがしますね。
普通、ゴルフシューズって履き慣れるまで、すごく時間がかかるじゃないですか。自分の足の形になじんで力まず歩きやすくなるまで、それなりにラウンド数が必要ですよね?でも、このシューズは今日おろしたての新品だったのに、この疲れの少なさは超意外ですね。それに、普段のラウンドで乗用カートに乗る人でも、この靴の履き心地なら、絶対にいつもより歩きたくなるはずですよ!」
筆者 「今日はありがとうございました!(帰りにネットでこれ買おうっと)」
Text/Mikiro Nagaoka