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ガルシアをメジャー初勝利に導いた「高弾道・低スピン」のアイアンシャフト

text by kazuhiro koyama

配信日時:2017年4月17日 19時30分

日本シャフトが取り組んだ、アイアンでの「高弾道・低スピン」

ガルシアの手首のタメは飛距離の原泉だが、アイアンのスピン量が多くなりすぎるリスクもあった※写真は2016年『全米オープン』(Photo by GettyImages)

ガルシアの手首のタメは飛距離の原泉だが、アイアンのスピン量が多くなりすぎるリスクもあった※写真は2016年『全米オープン』(Photo by GettyImages)

 ガルシアが愛用する『N.S.PRO MODUS3 TOUR130』は、実はもともと彼のリクエストによって、2010年に開発がスタートしたものだ。完成後は、ずっと使用しているというのだから、ガルシアがいかにこのシャフトの性能に満足しているかが分かる。毎年、クラブを新製品に変更しているガルシアが、アイアンのシャフトだけは変えていないのだ。

 ご存知のように、ガルシアのスイングは、ダウンスイング以降での手首のタメが強く、急角度でヘッドが降りてくる。その結果、バックスピン量が非常に多くなり、風に影響されやすく、飛距離もロスしていたのが課題だったという。ガルシアのリクエストは、「低スピン」で、なおかつそれでもボールを止めることが出来る「高弾道」を実現するシャフトだった。

 どちらかと言えば、アイアンのスピン量は増えたほうが良いように思える。弾道の高さも出るので、グリーンにボールが止めやすいからだ。日本シャフトの開発陣もアイアンで「低スピン」という要望が来ることを想定しておらず、開発にも苦労したという。一方で、ダウンブローの傾向が強く、スピン量過多に悩むゴルファーも少なからず存在することもわかった。

 『N.S.PRO MODUS3 TOUR130』は、シャフト先端部にしなり感を持たせることで打ち出し角の高さを確保し、中間部に剛性感を持たせてバックスピン量を抑える設計となっている。バックスピン量が最適化し、高弾道で攻めるシャフトの機能によって、オーガスタの“ガラスのグリーン”でもボールを止めることが出来たのだ。

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