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【危険な◯◯解説】<<<松山英樹>>>2018年のドライバーショットで大激論

【バケモノたちの使用ギア】シリーズよりも、より濃厚にスイング解説寄りにシフトしたスピンオフ企画が発動。担当するのは米国在住特派員のToshi HIRATA氏、おなじみPCM筒康博編集員です!

配信日時:2018年2月28日 07時50分

「カーリングの開始のタイミングが早くて素晴らしい。さすがPGAツアーのトップ選手」(平田)

筆者 「今度は後方からの撮影アングルを見てみましょう。さっきと違って、今度はフルフィニッシュを取っているシーンですね。グリップは変わらず短く握っていますが…」

筒 「長岡さん、何度も同じことを言わせないで。短く握るとシャフトのしなりは消せますし、彼の使用するシャフトの特性上、先端剛性が高いタイプなこともあり、インパクトロフトを減らして打ち出しを低くし、スピン量を減らせるメリットがあると言ったでしょ?ハワイの強風対策の意図だと何度説明させるんですか!」

平田 「本当ですよ。さっき強風対策だと言いましたよね?」

筆者 「……。(そこまで細かく解説してくれなかったじゃん…)分かりましたよ、すみません!面倒くさいので、画像から感じたことを好きに語ってください」

平田 「それでは。長岡さん、トップの画像と切り返し初期の画像を比較してください。そして、左手首の角度に変化があるか?どう見えますか?」

「松山プロは若干切り返しでカーリングする」(平田)

トップ(左)では真っすぐだった左手首がじゃっかん切り返し(右)でたわむ感じが…

トップ(左)では真っすぐだった左手首がじゃっかん切り返し(右)でたわむ感じが…

筆者 「いや、何が言いたいかわかりますよ。平田さんが呼ぶ左手首の【カーリング】ってもので、左手首を手のひら側に曲げるというニュアンスの話しですよね?」

平田 「はい。具体的に言うと、左手小指を手のひら側に曲げこむニュアンスの時の、左手首の張りというか曲げ方のことですね。これは、ダスティン・ジョンソンやジョン・ラームはトップの位置で既に完成させますが、タイミングの違いや程度はあれど、PGAツアーのトッププロのほぼ9割、いや10割に近いプロに共通する動きです。

そして、タイミングとしては、この肩口まで辺りまでのタイミングで、9割以上の選手がこの左手首の【カーリング】の形を完成させます。たとえ、トップの時点で左手首が真っすぐに見えたとしても。
試しに、直近で勝っているジャスティン・トーマスのトップと切り返しの画像を入れてみてください。ジョン・ラームのトップも」
ジャスティン・トーマスは松山英樹より切り返しで左手首を曲げます。ラーム(右)は最初から激しく折ってます

ジャスティン・トーマスは松山英樹より切り返しで左手首を曲げます。ラーム(右)は最初から激しく折ってます

筒 「画像を見なくても分かりますよ。でも、その【カーリング】の動きについては、ボクの師匠である後藤修先生が、1973年時点で週刊誌にそのことについて既に書いてましたよ?【カーリング】とは名付けてはいませんが」

筆者 「……。(マジかよ、平田さんに喧嘩売るのは勘弁してくれ…)筒さん、いったい何十年前の話をするんですか!その年にボクは生まれてすらいませんし、いま2018年ですよ?筒さんがいくら強弁しても確認の取りようがないじゃないですか!しかも、あなた、当時0歳か1歳でしょ?ったく、もう…」

筒 「5歳から大事なものの収集癖がありますし、当時の記事のスクラップは宝物ですから、まだ家に保管していますよ?自宅に見に来ますか?それとも国会図書館?紙媒体って、燃えない限りは永久に残り続けるんですから!」

平田 「喧嘩はやめましょう。後藤修さんがジャック・ニクラスのスイング解説で“ジャックはトップからの切り返しでわずかながらクラブフェースをシャットに切り変える”と語っていた記事をハッキリ覚えています。当時この動きを肉眼で見抜けたのは後藤修さんだけですね。それに、ヒールアップからのカカトを踏み込む動作も彼だけが見抜いていた記憶があります…」

筒 「なんでそんなに詳しいんですか?」

平田 「当時は日本でレッスンをしていましたし、後藤修さんの信者でしたから」

筒 「奇遇ですね、平田さん!」

筆者 「……。(こっちが衝突を避けようとしたのに、なぜか意気投合しちゃったよ…)」

「カーリングと引きつけ動作はセット。曲げずに飛ばす技術」(平田)

平田「この時点ではPGAツアートッププロの9割はカーリングを完成させます」

平田「この時点ではPGAツアートッププロの9割はカーリングを完成させます」

筆者 「話を戻しますが、筒さんも平田さんの見立てと同じでいいんですよね?っていうか、平田さん、なんでトップの左手首の角度をわざわざ切り返しみたいな時間のないところで変えなきゃいけないんですか?いろいろ余計に複雑じゃないですか?」

平田 「これは、この動きを体現できている人間にしか分からない感覚かもしれません。世のゴルファーは逆の動きで、左手首を甲側に折るカッピングになりますから。こればかりは、現象を説明できても、理解できないという人を説得する術はありません」

筒 「長岡さん、【ゴルフィングマシーン】的な言葉で説明すれば、フラットレフトリストは昔から当たり前の事実ですよ」

筆者 「……。(おいおい、ゴルフ界でも世界有数の奇書の言葉を例に出すんじゃない!無視しよ…)平田さん、この動きが必要なのはわかりましたが、メリットを教えてください、端的に」

平田 「これはアイアンでもドライバーでも同じで、切り返しでクラブを体に引きつける動作とセットになっているんですよ。メリットとしては、フェース開閉を抑えられるというのがまず一点。開こうとするフェースの動きを抑えた上で、なおかつインサイドアタックを保証します。右ヒジの動きもセットで体に近寄る形になりますから。負荷のかかったクラブを力強く引っ張るときに強い左手首の形ですし、一旦この形を作ってしまえば、後は自動化されます。

もうこの後はプレーヤーに何もやることはありません。体を回し続けるだけで、アイアンであればダウンブローは保証されますし、ドライバーであれば、スティープすぎる入射角をレベルに抑えてスピン量を落とす技術ともつながっています。もちろん、インパクトロフトを立てて強くヒットする技術だとも言えます。端的に言えば、曲がりを抑えて飛ばすための必須技術と言えるでしょうね」

筆者 「……。(端的にって言ったじゃん!)平田さん、アマチュアにこの動きは出来るんですか?メリットはありそうですが、めちゃくちゃ難しそうなんですけど…」
バックスイング(左)は外に上げ、ダウンスイング(右)は内側からがプロのスイング

バックスイング(左)は外に上げ、ダウンスイング(右)は内側からがプロのスイング

平田 「スイングメカニズムをバックスイングから根本的に変える気があるなら可能ですよ。アマチュアはインに引いてアウトから降りる人が多いでしょう?プロは逆です。アウトに上げてインから降ろします。バックスイングも肩をタテにコイルしますし、そういう段階を踏めばアマチュアでも習得は難しくはないと思いますよ。あと、さっき言ったアイアンのダウンブローとつながる話しについては、Dプレーンの概念も説明しなきゃいけないので、どうしても長くなりますが?」

筆者 「いや、いいです。興味のある人は、平田さんのレッスン連載を読んでもらうことにしましょう。今は松山英樹のスイングの話しなので…」

筒 「脱線させたのは長岡さんでしょ」

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