これがジャンボの“右手”だ!
「オフはジャンボさんにアプローチを中心に教わった」と話す小平は古閑美保との結婚祝いとしてか、「ジャンボさんと全く同じモデル、グース度合いも全く同じ顔のものです」とのウェッジをプレゼントされたという。
そのウェッジだが、写真は本家本元・ジャンボのもの。これぞジャンボモデル!といった強いグースネックが特長となっており、古くからジャンボが使用してきた『MTNIII』や『J’s』と変わらず“右手でしっかり押していける顔”になっている。ジャンボの全盛期から名参謀としてギアのサポートを続けるマスダゴルフの増田雄二はこう語る。
ジャンボの感性を最もよく知る増田雄二の力作
『M425』はFP値2mmという強いグースネックで、グースのメリットは、ラインが出しやすくてターゲットラインを強くイメージできること。ソールが先に接地しやすく日本の芝質に強いのもメリットですし、低く抑えた弾道を打つのが簡単になります。それに加えてフェースを開いても扱えるように工夫を施しています。
やや広いソール幅と大きめのバンス角ですが、抜けの良さとミスへの許容範囲を持たせるため、独自のソール形状を採用しています。ソールが機能すると打点が安定し、ボールの高さも揃いますし、食い付く打感でゆっくり重く飛ぶ弾道を打つことが出来ます。バックフェースをくり抜いたためサイズは大ぶり。キャビティ形状の効果もあって、プロモデルながら、意外にも非常にミスに強くなっています」(増田雄二)
キャリアの長い人は在りし日の感性が蘇る!?
豪快な飛ばしだけでなく、全盛期のアプローチの低止め……。PS(ピッチングサンド)を開発するなど、ショートゲームにも卓越していなければ、100勝以上など到達不可能。ゴルフの全てに探究心を持つ男の究極の結論がこの顔なのである。
「ターゲットに対してしっかりラインを出して打ってくれ」
構えると、この顔からそうプレーヤーに訴えかけてくるように感じるのは気のせいだろうか。かつて一世を風靡した丸型グースサンドは時を重ねてもまったく色あせない。筆者には、90年代の在りし日のいいフィーリングが蘇ってくる。
Text/Mikiro Nagaoka