性能の高さと感性を満たすミズノらしさ
オーソドックスでクセのない形状は目標に対して構えやすく、地面に置いたときの座りもいい。大ぶりで安心感があるのも嬉しいところだ。『MFUSION』を採用したためか、総重量は3番ウッドで295g(※フレックスR)とかなり軽め。アイアンにスチールシャフトを装着するなら、もう少し重いほうが良い結果になるかもしれない。そのあたりのマッチングに気をつければ、長い残り距離をカバーする強い武器になる。
7番のロフト角が29度という飛び系アイアンだが、使い勝手も弾道の飛び様も正統派のアイアンを彷彿するものだ。やわらかく打ち出されて、スーッと上に伸びて落下するアイアンの球筋そのものながら、ボールが前に飛んでいて飛距離が出る。2段階に加工する『デュアルT-SLOT加工』によるポケットキャビティ化によって、ミスへの強さも十分に感じるところだ。
『GX』の全てのカテゴリーに言えることだが、形状は調和が取れていて、操作がしやすい。例えばスライスを防ぐために強いフックフェースにするなどといった極端な仕様にせず、あくまでもニュートラルな挙動が印象的だ。練習をすればそれに応えてくれて、もっと上手くなれそうなクラブだと言える。
機能を追求するのは大切だが、ゴルフクラブはあくまでも人間の使う道具であり、見た目や振り心地、そして打感・打音に至るまで感性の部分もまた重要だ。『GX』は飛距離面の機能を高いレベルで実現しながら、そんな感覚的な部分を犠牲にしていないのが嬉しい。そこにまさにミズノというこだわりが感じられるシリーズに仕上がっている。
『MP』ドライバー、『ミズノプロ』アイアンと立て続けにヒット作となり意気上がるミズノだが、この『GX』も新たなユーザーを獲得する気配に満ちている。3月16日の発売が自ずと楽しみになってきた。
撮影協力:千葉カントリークラブ川間コース