「クセのない中調子で先端硬め。『ツアーAD IZ』のヒットの源流にアルディラ『ROGUE』がある」(筒)
ところで、『ツアーAD IZ』ってどんなシャフト?
筆者 「確かに。例えば、松山英樹と同じようにFW&UTにも『DI』を愛用する点ではスピースが一番近い存在ですかね。そこを紐解くのが一番かもしれません」
筒 「長岡さん、スピースが一番強かった年は、アルディラの中弾道シャフト『ROGUE Black Limited Edition 60TX』で勝ちまくってましたよね。2015年にこのシャフトと『915D2』の組み合わせで5勝もしています。その後、ヘッドはそのままで、シャフトが替わったという状況ですね」
筆者 「なるほどね〜。チェズ・リアビって、平均ヘッドスピードが48.35m/sで、ツアーで191位とかなり遅い方なんですよ。でも、平均飛距離は290.5ヤードで153位と効率よく距離が稼げていますし、FWキープ率は72.37%で10位です。これは安定感のある動きの少ない中調子、かつ先端剛性の高いロースピンなシャフトの効果もあるでしょうね」
P編 「スピースはどうなの?」
筆者 「リアビと似てます。スピースも50.93m/s(88位)とツアーでは平均的なヘッドスピードなのに、飛距離は300.3ヤード(66位)と効率よく飛距離を出していますよ。FWキープ率が64.32%(55位)。二人共、そんなにヘッドスピードが速くない、『IZ-6X』を使っていて、軽めで硬めでロースピンなシャフトで高打ち出し・低スピンで曲げずに距離を稼ぐ結果を出していると言えると思います」
P編 「低スピンってどれくらい?」
筆者 「スピースが2,222rpmで多い方から数えて197位、リアビは2483rpmで多い方から数えて142位です」
「リアビの生存戦略はアマチュアにも参考になる」(筒)
P編 「生存戦略ねぇ…。ゴルフがビジネスであるプロゴルファーは、当然、生存戦略を考えなきゃいけないのは分かるけど…。ちょっとシリアス過ぎないか?筒さん…」
筆者 「そうですよ、筒さん。シリアスネタは勘弁してください。しかも、全体に硬くて先端剛性が高い低スピンシャフトなんて、一般ゴルファーを置いてけぼりにしちゃダメですよ。もっと一般アマに関係のある話しに落とし込んでください」
P筒 「……。(いつもは顔芸でふざけるとビール瓶で殴るくせに…)長岡さん、別に一般アマに関係ないとは一言も言ってませんよ。PGAツアーの6Xとか7Xの話だけじゃなく、一般の6S、5Sでも同じ図式に落とし込めますから。ブリヂストン『JGR』の純正カスタム【IZ-5S】とかは、ヘッドのつかまり過ぎとバックスピンを抑えて飛距離に変えてくれますし、キャロウェイ『ROGUEサブゼロ』の純正カスタム『IZ-6S』は、やさしいヘッド高初速ヘッドに歯ごたえを加えたフィーリングがすごく良いですし…」
P編 「『IZ』は40g台からあるシャフトでもあるから、重量さえ選べば余計なスピンを取って強弾道を作りやすいシャフトではあるね。ああ、『ROGUEサブゼロ』と言えば、昨日の試打結果の話しも入れる?」
筒&筆者 「……。(あのデータか…、誤作動じゃねぇの?)」
筒&筆者 「…………。(一番訳の分からない存在は、ヘッドスピード44.4m/sでボールスピード70m/sを出すアナタですよ!)」
Text/Mikiro Nagaoka
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