復帰したタイガー・ウッズの美技を支えたボール
同じように契約外で『TOUR B』を愛用している選手に、レキシー・トンプソンがいる。いや、愛用していたと言うべきだろうか。トンプソンは年明け早々にブリヂストンとボールの使用契約を交わした。すでに同社のボールを使って、4勝をあげている彼女だが、今回の契約でその信頼が改めて感じられる。
これまでは柔らかめの『TOUR B330S』を使っていたが、デシャンボーと同様、現在は『TOUR B X』に変更している。
ブリヂストンのボールと言えば、タイガー・ウッズの話題に触れないわけにはいかない。9ヶ月ぶりの復帰となった年末の「ヒーロー・ワールド・チャレンジ」では9位。「ファーマーズ・インシュランス・オープン」でも4日間を完走し23位。タイガーが予選を通過したのは、なんと2年半ぶりのことだ。
昨年の同大会では110位で予選落ち。今年は初日からドライバーの安定感に苦しんだものの、徐々にアイアンショットやパッティングで、タイガーらしいプレーを見せるようになった。
特筆すべきはアプローチで、傾斜のきついグリーンを低く転がして寄せたり、ライの悪いところからロブショットを見せたりと、かつての最強タイガーを彷彿する、イマジネーション豊かなプレーを随所に披露した。
予選ラウンドは松山英樹と一緒だったが、当たった時のドライバーは松山を飛距離で上回っていた。よりパワーが重要視される現代のPGAツアーでも、現在のタイガーは飛距離で全く引けを取らない。上手く復調できれば、再びメジャーを制することも可能だろう。