越谷に完成した、MIURA直営フィッティングスタジオには『GEARS』が!
PCM筒康博(以下、筒) 「三浦技研として、カスタムパーツメーカーの枠組みを越え、新しい試みをやる!伝統の技に最新機器による実験で得られたナレッジを融合して新たなステージへ踏み入れる!と三浦信栄社長が力強く語っていましたね。会長の“神の手”を持つ三浦勝弘さんも来場されていました。“自分が使いたいアイアンを形にした”と、MIURAでは新たな試みとなるやさしい中空アイアン『MC-601』を手にアピールされていましたね」
筒 「フィッティングを担当するのは、スリリングの浅谷さんという、シャフトメーカーの頭脳でもあります。この辺りの知識と最新機器と伝統技の融合が新しいものを生み出す、いまチャレンジしている最中といった印象ですね」
FPとバンス違い。1機種で5タイプのヘッドから合うものをテスト!
筒 「はい。【1】通常モデルに対して、【2】FP+2ミリ、【3】FP−2ミリ、【4】ノーマルバンス、【5】ハイバンス、とのタイプ別にそれぞれ15種類以上のシャフトが付いた試打クラブが用意されています。そのバリエーションたるや、300本以上になるのだとか。モデルも様々なタイプで各5タイプを用意していました。これだけの試打クラブの用意は圧巻ですね。精密な弾道計測器と動作解析の『GEARS』でインパクト解析を受けてから、このバリエーションの中からさらにカスタマイズもできるそうです。プロゴルファーでもこんなサービスを受けたことがある人はほとんどいないんじゃないですか?」
筆者 「浅谷さんの話しでは、既に250人以上のゴルファーが詳細なフィッティングを受けており、面白い傾向が出てきていると話していましたね。そして、その溜まったナレッジを三浦技研はさらなる製品開発に活かすと言ってましたね」
筒 「これって、すごくチャレンジングだと思います。最大のポイントは、FP(フェースプレグレッション=刃の出具合)フィッティングなんですが、FPが大きくなると入射角が大きくなり、逆にFPが少なくなってオフセットが大きくなると入射角が浅くなる傾向が強いそうです。つまり、ゴルファーは視覚的なFPの違いでダウンブロー度合い、入射角が変化すると。浅谷さんは、もちろん例外や複合的な要因もあると言ってましたが」
筆者 「これまでこの施設に来られた人って、100%MIURAファンですよね。目利きであり、腕前もしっかりした方が多いはずなのに、かなりの割合でこれまでの【入射角はスイングで作る】との常識が崩れるそうです。実際、フィッティングしてFPを最適に変えることで入射角とインパクト時のロフトも変わり、距離も伸びる人が多くなると」
筒 「長岡さんは意外に思うかもしれませんが、【上級者=ダウンブローに打っているはず】というのは単なる思い込みですよ。実際は、上級者でもダウンブローではなくレベルブローに近い方も非常に多いです。そして、ボクの経験では【FPがしっくりくるアイアンを使うと気持ちいい球位置になる】からで、浅谷さんの言うように、入射角が変化する人も多いと思います。浅谷さんは、これからバンスとの関係をもっと追求するって言ってましたが」