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流行の気配?パター用カーボンシャフトで何が変わるのか

text by kazuhiro koyama

配信日時:2017年4月6日 08時00分

今年の開幕からヨネックス『TRG300』というパター用カーボンシャフトを使用する若林。「色々試してこれが距離感が合うし、良いころがりをしてくれる」という好感触が早速、最高の結果を生んだ(Photo by GettyImages)
今年の開幕からヨネックス『TRG300』というパター用カーボンシャフトを使用する若林。「色々試してこれが距離感が合うし、良いころがりをしてくれる」という好感触が早速、最高の結果を生んだ(Photo by GettyImages)

若林舞衣子に優勝をもたらしたパター用カーボンシャフト

 前日まで上位だった柏原明日架、川岸史果、香妻琴乃らツアー初優勝を狙う若手を逆転し、「アクサレディス」を制したのは、若林舞衣子だった。優勝の要因となったのは、最終日の2番ホールパー3でのホールインワンもさる事ながら、3日間で1R平均26.67という安定したパッティングだった。若林は、契約するヨネックスのパター用カーボンシャフトを使用している。

 パターにカーボンシャフトを使うのは、あまり一般的ではないが、これまでも一部では何度となく流行していた。カーボンシャフトの黎明期には、ブラックシャフトと呼ばれた黒いカーボンシャフトを装着したパターが流行し、近年では、コンポジットテクノ社の『ファイアーエクスプレス PT130』がゴルフ工房などを中心にギアマニアの間で話題になった。

 飛距離を求めるドライバーに、スチールよりも軽量のカーボンシャフトを使用するのは理にかなっている。しかし、パターに果たしてカーボンが必要なのか、訝しく思うゴルファーも少なくないのではないだろうか?
マスダゴルフ『TOUR PROTO 3004』。高機能が実現できるのはカーボンパターシャフトが近年増えている

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 カーボンを採用する理由は、その設計自由度の高さだ。

 スチールとは異なり、硬さや重さ、しなり感に至るまで、コントロールしやすいのがカーボンシャフトのメリットだといえる。つまり、一般的にイメージされているように、必ずしも軽いとは限らないし、硬さに関しても様々なものが有り得るわけだ。

 実は、かくいう私自身もカーボンシャフトを装着したパターを愛用している。シャフトは、マスダゴルフ『TOUR PROTO 3004』というシャフトだ。このシャフトは、約140gと一般的なスチールシャフトよりもむしろ重く、昨今のヘッドの重量化に対応している。ヘッドが重くなれば、その分、シャフトやグリップを重くするとパターに安定感が出るのだ。

 重いカーボンシャフトは、構造上、肉厚が非常に厚くなり、フレックスが硬めに出てしまう傾向が強いが、このシャフトは、カーボンらしいしなやかなしなり感を感じるのが特徴だ。これがインパクトでひと押ししてくれる感触になる。重いのに、軽く感じられるようなダイレクトな操作感と、硬さはあるのにしなやかさを感じる。そんな高機能が実現できるのはカーボンならではの強みだといえる。

 若林が契約するヨネックスの『トライプリンシプルパター』は、スチールシャフトよりもカーボンシャフト装着モデルのほうが、約30gも重い。そんな大胆な重量配分が出来るのもカーボンシャフトのメリットだろう。カーボンだから軽いわけではなく、機能を様々に実現できるのが、カーボンシャフトの真の特徴なのだ。

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