そもそも筆者の「シャフトクロス」は『GEARS』を使わなくとも明らかだが…
P筒 「本当にそうですか?ウェッジの振り幅コントロールなど、コンパクトトップで打つこともありますよね?シャフトクロスが激しいのは主にドライバーだけでしょう?」
筆者 「う〜ん、まぁそうなんですけど…」
P編 「今回ばかりは長岡に同感だな。私もずっとシャフトクロスと付き合ってきたから、中々直せないというか、直らない。でも、クラブを気持ちよく動かしたらトップがそうなるだけで、ナイスショットを打てれば問題ないとも思うんだけど。でも、プロゴルファーで激しいシャフトクロスの人はほぼ皆無に近いね、なぜなんだろう」
筆者 「村田さんは、シャフトクロスしないよう、松山英樹のようにトップで一旦止まってドライバーを気持ちよく打てますか?ボクの場合はタイミングと連動してて難しいんですけど。筒さんが言うように、ウェッジのようにコンパクトトップでも打てなくはないですが、振れない・ヘッドが走らない・ヘッドスピードが上がらない気がします。気持ちよくないから振れず、飛ばなくなりそう…」
P編 「言ってることはすごくよく分かるよ」
P筒 「では、長岡さんの【シャフトクロスをやめる=振れないはず】が正しいのか?GEARSでテストしてみましょう。スイング中のヘッドスピードの変移もすべて数字で出ますから、ものは試しということで」
気持ち悪いが、反動をつけないトップの方がHSが爆伸び!
筆者 「あぁ〜気持ち悪い。まったく当たる気がしない…。室内だから何とか打てと言われれば打てますが、すっごく気持ち悪いです。タイミングが取れない」
P編 「あらっ、シャフトクロスが直ってるじゃない。長岡、気持ち悪い方がすごくいい形になってるけど」
筆者 「アレ〜、本当ですね。こんなに気持ち悪いのに…。いかに自分の“気持ちいい場所”が間違っているかってことか…。ちょっと慣れてきたので、松山英樹のイメージで、トップで一旦止めるつもりのコンパクトトップから打ってみますね」
P筒 「!!!長岡さんのスイングとは思えないほど変わりましたよ。ちょっとGEARSでヘッドスピードの変移を見てみましょう。ほらぁ〜、最初の7,8スイングは50m/s弱だったのに、55m/s以上出ましたよ!」
筆者 「え!ウソでしょ?自分ではまったく振れた感じがしないんですけど、この数字は合ってるんですか?機械の誤作動じゃないの?」
P編 「ぐぬぬ…悔しいけど、それが合ってるんだよ…。弾道計測器はドップラーレーダー方式でも、カメラ方式でも、正確なヘッドのスピードを測っているわけじゃなく、ボール初速から割り出した予想ヘッドスピードなんだ。でも、GEARSはヘッドに直接3つのセンサーを付けて、スイング中のヘッドスピードをずっと測り続けるんだ。正直ちょっと、私もこの数字はショックが大きいね」
筆者 「本当に意外です。というか、今までの長いゴルフ人生、いったい何をやっていたんでしょうか…。そういえば、先日PGAツアープロだった米国チャンピオンズツアーの選手複数と話していたんですが、みな“松山英樹はトップで止まるよね、こっち(米国)では珍しいスイングタイプだよ”と言っていたのが印象的でした。海外メディアもよく松山英樹のトップで一旦止まって見えることを記事にしますよね。松山本人は止まっているつもりなどないと言っているようですが。なんか、ボクみたいなド下手クソの例を当てはめてはいけないでしょうが、【コンパクトトップで一旦停止のつもり】の方がヘッドスピードが速いというのは、今までのボクの常識とは真逆でした…」
P筒 「まぁ、ゴルフスイングは人それぞれ違いますから、その人それぞれに最適な力の出力の仕方があるはずですよ。長岡さんの場合、フィーリングとしては気持ち悪くても、ムダが取り去れた方がスイングスピードが速くなるということです。シャフトクロスに悩む人は、同じような結果が出る可能性も高いと思いますね」
筆者 「よしっ!今から新スイングでドラコン出場を目指そうかなぁ〜」
P筒 「長岡さん、都合のいいことだけに目を向けちゃいけませんよ。55m/sを超えて調子に乗り出してから、さらに飛ばそうとしたら途端に元の50m/s前後に戻ってますし、無意識にシャフトクロス度合いが戻ってます。【飛ばそう】【速く振ろう】としなかった時に55m/s以上が出たことをもう忘れてますよ」
P編 「3秒でシャフトクロスが直って、もう元に戻っちゃったね。学習しなさいよ」
筆者 「はい、ありがとうございました!」
Text/Mikiro Nagaoka