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ケプカ&申ジエの優勝から、海外のクラブ契約フリー選手が好むアイアンを考える

契約に縛られず、好きなクラブを使えるクラブ契約フリープロ。ここ1、2年で急増していますが、そんな契約フリー選手は日本でだけ増えているわけじゃありません。だって先週も…。

配信日時:2017年11月22日 16時21分

クラブ契約フリーのブルックス・ケプカ。アイアンはミズノ(GetttyImages)
クラブ契約フリーのブルックス・ケプカ。アイアンはミズノ(GetttyImages)

ここ1年、海外のクラブ契約フリー選手がなぜかミズノ『JPX900アイアン』を…

筆者 「先週優勝したブルックス・ケプカも申ジエも、二人ともクラブ契約フリーでしたね。申ジエは直近で『ミズノプロ518』に替わったようですが、それまではずっと『JPX900アイアン』を使っていましたし、ケプカはナイキがああなってからずっと『JPX900ツアーアイアン』で、メジャーを獲っています。今回は、クラブ契約フリー選手の使用アイアンについて議論したいなと」

PCM編集長(以下、P編) 「あれ? 少し前にクラブ契約フリー選手のアイアンはPINGが多いって言ってなかったけ?そのネタはもう終わったじゃんか」

筆者 「いや、あの時は日本のツアープロの話しが中心だったんですよ。宮里優作、清田太一郎、比嘉真美子が『i200アイアン』で、ジャンボさんが『G400アイアン』に替えた件でしょう?でも、今回は【海外の厳しいフィールドで戦っている選手が選ぶアイアン】というお題目でいきたいんです」

PCM筒康博(以下、P筒) 「先週はタイミングよく契約フリー2人がミズノのアイアンで優勝していますからね。気になるといえば気になります」

筆者 「はい。なぜボクがここにこだわるか?というと、以前の米国ゴルフワールドの調査記事で【自由にアイアンを選ぶならどのメーカーを選ぶ?】という問いに対して、圧倒的な1位がミズノだったから。割合でいうと、36%ものPGAツアープロが【自由に選べるならミズノのアイアンを使いたい】と。この数字って、いまPGAツアープロの間で3人に1人がテーラーメイドのドライバーを使用しているのとかなり近いパーセンテージです。やっぱり、厳しいフィールドで戦う選手ほど、同じような解にたどり着きやすいのかなぁと」

P編 「えっ!そんなにPGAツアープロの間でブランドロイヤリティが高いの? すごいね、それは」

P筒 「確か、長岡さんもALBA本誌でそれに近い内容について3月くらいに書いてませんでしたっけ?PGAツアーでミズノのアイアン使用率が上がっているって」
ウッドはテーラー、アイアンはミズノ、ウェッジ&パターはタイトリスト。ケプカ、契約フリーを最大に活かしましたね…(米山聡明)

ウッドはテーラー、アイアンはミズノ、ウェッジ&パターはタイトリスト。ケプカ、契約フリーを最大に活かしましたね…(米山聡明)

筆者 「はい。昨季終盤って、タイガーやマキロイの契約変更とか、ここ数年来で記憶にないくらい大幅な契約変更が多かったじゃないですか。ナイキがクラブから撤退したので。でも、そういう誰もが知る大物以外にも、けっこういろいろと変更があったんですよね。2月くらいから、ビジェイ・シンや元ナイキのケプカが『JPX900ツアー』を使用し始めたし、元ナイキのポール・ケーシーは『MP-25』。ナイキからミズノに契約自体を移した選手も増えました。移籍組はルーカス・グローバー、ニック・ワトニーはケプカと同じ『JPX900ツアー』で、ジョナサン・ベガスは『MP-18』という海外仕様のマッスルバックですね」

PGAツアープロはなぜミズノを使いたがる? 「ステンレス鋳造」が好きなんじゃないの?

鋳造好きな人もPGAツアーにはかなり居ると思うんです。でも、ミズノを選ぶ人にそれはないかと

鋳造好きな人もPGAツアーにはかなり居ると思うんです。でも、ミズノを選ぶ人にそれはないかと

P編 「私も前のエースアイアンは多くのナイキ勢が最後に使っていた『ヴェイパープロコンボ』だよ。ということは、私もかなり『JPX900ツアー』が合う可能性が高いのかも…。これは海外モデルだけど、輸入して買おうかな。でも、なぜPGAツアー選手はミズノを使いたがるんだろうね。ほら、日本人ゴルファーなら【軟鉄鍛造アイアンならミズノ】【打感ならミズノ】【顔ならミズノ】と、一般的によく知られてるじゃない。でも、手先が器用でフィーリングに敏感な日本人特有の感覚かな?と思ってたんだけど…」

P筒 「ボクもそう思ってました。海外プロはタイトリスト『AP2』など複合系のアイアンを使用するプロも多いですし、PINGのようにキャスト(ステンレス鋳造)アイアンを使う選手も昔から多いじゃないですか。日本人ほど“軟鉄鍛造じゃなきゃ!”という感覚自体が薄いと想像してましたけど…」

筆者 「今年の3月時点で、なぜ『JPX900ツアー』を代表にミズノのアイアンが使用率を増やすのか?と聞いた時、ミズノのグローバル担当者はこう答えてましたよ」
和顔な『MP-66』(右)と顔は違いますが、性能は近いのだとか

和顔な『MP-66』(右)と顔は違いますが、性能は近いのだとか

【多くの海外選手に評価してもらえるのは、音と打感、顔の良さ。実は日本人ゴルファーと同じ部分なんですね。ちなみに『JPX900ツアー』は軟鉄鍛造キャビティで、日本でいうと『MP-66』に近い性能。『MP-25』は『MP-59』に近いアイアンです】

P編 「へぇ〜。やっぱり、ゴルファーなら人種を問わずに、同じ感性が宿るんだね。なんだ、我々下手くそな日本人ゴルファーと同じことを感じてるんじゃん!なんか、バケモノの世界だと思っていたPGAツアープロにも一気にシンパシーを感じるね」

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