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池田勇太の【軽ヘッドバランス】を試してみたら、「C7」がエースになっちゃった!

池田勇太が肉体改造に成功し、今季から「C6」や「C5」といった、女性用ドライバーも真っ青な軽ヘッドバランスで20ヤード近い飛距離アップをしているのは既報のとおり。通常の男性用なら「D0」とか「D2」が普通ですよね?気になった筆者は、自らを犠牲に軽ヘッドバランスのテストをすることに…。

配信日時:2017年11月6日 10時04分

『TINIT』9.5度、長さ45.5インチ、総重量311.5g、バランスはC7!

池田勇太プロの「C5〜C6」を狙ってましたが、最終的には「C7」に

池田勇太プロの「C5〜C6」を狙ってましたが、最終的には「C7」に

P筒 「長岡さん、なるべく池田勇太プロのクラブに近いバランスを目指しましたが、C7になりました。総重量は長岡さんにはかなり軽めでしょうが、311.5g。振動数はヘッドが192gと軽いこともあって280cpmとかなりハードですね。さぁ、どうなるでしょうか。乾いたら、全員で試打してみましょう」

筆者 「うわ、311.5gですか。かなり軽そうだし、暴れそうだなぁ……。とりあえず、打ちに行きますか。『TINIT』オーナーでヘッドの性能をよく知る、片手シングルの小松さんも呼んで打ってもらいましょう」

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筆者 「いくらなんでもC7は軽すぎると思ったんですが、すごく振りやすいです。超意外。やっぱりシャフトが合っているからなんですかね。もっと暴れると思ってたのに普通に球が真っすぐいきます。ミスは右に滑る球だけですね」

アマ小松さん 「いや〜、ヘッドスピード43m/sのボクには、このスペックは打てないなぁ…。まったくつかまらない。シャフトがちょっとハードすぎます。硬いシャフトだけを振っているみたいな感覚で、プッシュしか出ません。ボクの『TINIT』とは全くの別物ですね」
PCM編集長とアマチュア小松さんには全く合わず、元々軽バランス派のPCM筒にはある程度フィット

PCM編集長とアマチュア小松さんには全く合わず、元々軽バランス派のPCM筒にはある程度フィット

P編 「私はこのシャフトが合わなくはないけど、さすがにハードなシャフトを入れたC7はキツイね。私の場合、女性用みたいに、シャフトのしなりがすごく効いたC7のクラブだと気持ちよく打てるんだけど、ハードなシャフトのC7はシャフトのしなりを感じられないから、タイミングが取れなくなっちゃうなぁ。軽・硬でもないんだよね。重くて硬いシャフトでヘッドが軽いというのは、自分の中では一番合わないスペックかもしれない…」

P筒 「やっぱり、ヘッドの利き具合って、一般ゴルファーには大切なことがよく分かりますね。ボクは打てなくはないですけど、シャフトはものすごくハードに感じます。元々ボクもC台の軽バランスが好きなのですが、シャフトの重量と剛性がボクには少しハードですね」

筆者 「え?合うのはボクだけ?確かにシャフトはシャキッとしていますが、バランスが軽いせいか、ものすごく素早く振り切れますし、インパクトで調整が入れられません。出る球もミスは右にしかいかないので、気持ちよく思い切りつかまえにいっても絶対に左OBがないのでラクです。やっぱり、D2などのバランスに比べると、シャフトのしなりが減っているので左にはいきづらくなっていますね。元々『ファイアーエクスプレスBX』は先が硬めですけど、立ったロフトで浅重心、かつディープフェースの『TINIT』が入っていますから、左に行かずに球が強くなります。軽バランススペックだと、シャフトの色彩が色濃く出る気がしますから、合うシャフトが見つかっているのに、左への巻き球が出るという人にはオススメしたいなぁ」

P編 「いや、この軽バランススペックを打てる、好きな人って相当な変態だよ。シャフトに負荷をかけまくりで、インパクトでぶっ叩く長岡に合うのは分かるけど、決して一般受けしない。池田勇太プロも、やっぱり肉体改造の成功があるからこそ、こういったハードスペックにシフトしたんだと思うなぁ」

横から見て「台形に飛ぶ弾道のヘッド」は直進性と飛距離を兼ね備える

この2つ、両方とも横から見て「台形」の弾道が出るんです。特性は違うのに、不思議…

この2つ、両方とも横から見て「台形」の弾道が出るんです。特性は違うのに、不思議…

アマ小松さん 「でも、この『TINIT』って、すごくいいヘッドですよね。元々そんなに重くないし、3か所のウェイト調整で重くもできるというね。何より、直進性が高い気がします。ボクは今のところPING『G400』がエースですけど、こちらも負けず劣らず直進性が高いです」

筆者 「そうなんですよ。ボクの場合、『G400』も捨てがたいのですが、『TINIT』の方が明らかに合ってます。なんというか、放物線を描く弾道じゃなくて、両方とも弾道を横から見ると台形で飛ぶんですよ。自分の目線でず〜っと同じ高さを飛び続けるというか。こういう弾道が出るヘッドって、曲がりにも強いし飛距離も出ますよね。なぜ重心特性がまったく違うのに、この2つは台形に同じ高さを飛び続けるのかちょっと謎です。スピン量がやや多めというのはあると思うんですが、吹き上がらずに同じ高さを飛び続けます」

P筒 「どちらも直進性が高いのですが、よりシャフトの特性や剛性をしっかり感じたい長岡さんには浅重心でシャープに振れる『TINIT』の方が合ってますね。『G400』はスリーブ込みで200gを越えますし、すごく深重心なので、ややスイング中にヘッドが垂れる感じになると思うので」

P編 「私は元々アッパー軌道だから、その少し垂れる感じの『G400』の方がアッパー軌道に振りやすくてちょうどいいけどね。『TINIT』だと動きや反応が速いというか、操作性が良すぎてしまう。台形弾道が飛ぶというのは当然だよね。打ち出し角がある程度キープできれば、ずっと前に向かってボールが進み続けてくれたほうが、結果的にキャリーが出るし、地面へのランディング角度も小さくなるからランも出やすい。何より、ターゲットに向かって前に進み続けてくれるんだから、曲がりに強いのは当然だよ」

筆者 「あと、今回意外だったのは、ヘッドが192gで軽ヘッドバランスでもボール初速や弾道の強さはしっかりキープできたことです。重ヘッドで弾道が強く・重くなることは体感済みですから、その正反対だから、もっと球が弱く・軽くなるのかな?と思いきや、まったくそんなことはなかった。むしろ、ヘッド側が軽いからヘッドスピードが上がって飛ぶ感じさえしました。ボクには池田勇太プロの軽バランススペックは間違いなく合ってますね」

P編 「この変態め!と言いたいところだけど、“D2じゃなきゃダメ”とか、中・上級者の間で勝手な思い込みがあるのも事実だね。合うシャフトとヘッドを見極めていれば、必ずしもD2じゃなきゃダメなんてことはない。その人が何を望むかによって、まだまだスペックの可能性は突き詰める要素が満載だよ。そういった意味で、今回の実験は非常に参考になった」

筆者 「企画趣旨にご理解いただき、ありがとうございます。じゃ、皆さんお疲れ様でした!」

P筒 「長岡さん、企画趣旨でごまかそうたって、そうはいきませんよ。アナタのマイドライバーのリシャフトという趣旨に、かかった代金はシャフト代込みで工賃含めて6万円です。負けときますよ」

筆者 「ですよね…ツ、ツケにしてください…」


Text/Mikiro Nagaoka

【ALBA.net マニアック試打チーム】


【筆者】 ドライバーのヘッドスピードは47〜50m/sだが、平均ハーフ3発のOBが出るため、ベストギアをひたすら追求するギアヲタ。1Wの吹け上がりでは右に出るものナシ…

【PCM編集長】 ヘッドスピード約47m/sのドローヒッターで、その低スピンでアイアンをいくらでも飛ばす。クラフトマン向け雑誌『PCM(Professional Craftsmanの編集長でクラブ計測マニア
【PCM筒康博】 PCMの編集やクラブ計測、クラフト、試打も行うフィッター兼コーチ。HS30〜46m/sまでスイング・球筋は変幻自在だが、現在四十肩を発症中…

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