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宮里藍引退に華を添える、『TOUR B』シリーズの世界同時優勝

text by kazuhiro koyama

配信日時:2017年9月22日 19時00分

アンナ・ノルドクビストは、契約外で『TOUR B』ボールを使用

ブリタニー・アルトマレとのプレーオフを制したアンナ・ノルドクビスト(スウェーデン) (撮影:Getty Images)

ブリタニー・アルトマレとのプレーオフを制したアンナ・ノルドクビスト(スウェーデン) (撮影:Getty Images)

 5月に発表された宮里藍の引退。早いもので、気がつくと現役最終戦を迎えていた。最後の試合が、LPGA初優勝を遂げたエビアン選手権というのは、世界を股にかけて活躍した宮里らしい。
 残念ながら、今後日本ツアーの試合に出ることはないようで、それもあってか12月7日に行われるファンとの交流イベント、「BRIDGESTONE GOLF ドリームフェスタ2017」のチケットは、先行販売分があっという間に完売した。定数の10倍の応募があったということで、藍ちゃんをもう一度見たいというファンの熱気を改めて感じさせる。

「BRIDGESTONE GOLF ドリームフェスタ2017」
9月第3週は世界中で『TOUR B』シリーズの優勝ラッシュだった

9月第3週は世界中で『TOUR B』シリーズの優勝ラッシュだった

 クラブ・ボールの契約は選手生活を通して、ブリヂストン1社を貫いた宮里の引退に華を添えるように、この週は同社のボールが大活躍している。
 エビアンで優勝したのは、スウェーデンのアンナ・ノルドクビストだ。彼女が使用するのは、海外モデルの『TOUR B330』。少し硬めのフィーリングで、日本モデルでいえば『TOUR B330X』に近いボールだ。契約外ながら、このボールを選んでいるところに、その信頼感が伺える。

 今季、ノルドクビストのパーオン率は76.8%と非常に高く、ツアーでも2位だ。ここ数年は、パーオン率ベスト3を外しておらず、正確なショットが武器のプレーヤーで、このあたりは、同じスウェーデン出身のレジェンド、アニカ・ソレンスタムのプレースタイルを思わせる。最終日には長いパットも決まり、「66」での逆転優勝だった。

 パーオン率の高い選手は、アイアンショットの距離感が卓越しているものだ。スイングの精度はもちろんだが、その時の芝質や傾斜の状況、風や気圧の違いなどを的確に捉え、巧みに弾道をコントロールして、ボールをピンハイに運ぶ。風に強く、均一性の高い『TOUR B330』が、高いパーオン率に貢献していることは、想像に難くない。
1打差2位で最終日を迎えた上原彩子はトータル4アンダーの10位タイでフィニッシュ(撮影:GettyImages)

1打差2位で最終日を迎えた上原彩子はトータル4アンダーの10位タイでフィニッシュ(撮影:GettyImages)

  エビアン選手権では、宮里の同郷である上原彩子も10位タイと健闘。最終日を迎えた時点では、初優勝も十分狙える位置だった。上原の使用ボールは、『TOUR B330S』。タイガー・ウッズが選んだ、よりソフトでスピン性能の高いボールだ。
 米国LPGAツアーでは、現在のドライビングディスタンスが151位(239.09ヤード)と、飛距離面での不利を余儀なくされている上原がツアーで戦うためには、ショートゲームやショットコントロールを武器にする必要がある。球持ちが良く、強いアプローチスピンの性能を持つ『TOUR B330S』を選んでいるところに、選手としてのクレバーさを感じる。

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