PINGは「球をいかに上げるか」を最重視。その“鉄”学はブレない。世の流れに反発する
――『i200』に契約フリープロが飛びつくには何か秘密がありますか?考えられる理由は?
「確かに『i200』は球が上がりやすくて、目標に狙いやすい顔やサイズであることがプロにもアマチュアにも評価されています。女子ツアーではほとんどの選手が『i200』をすぐ気に入ってずっと使用していますしね。ロフトは7番で33度ですから、そこまで立っているわけではありませんが、2.3mmの極薄フェースの後方に大型エラストマーCTPを入れ、低重心しつつ心地よい打感にも評価がありますね」(PING山口氏)
――最近はぶっ飛び系アイアンで7番が26度なんてものが増えていますが、PINGさんは作りませんよね?
――あの、それってストロングロフトって言うんですかね?他社は7番で「26度」のぶっ飛び系アイアンが増えてますよ。ロフト「30度」ってゼクシオと同じですよね?全然普通で立ってないと思うんですけど……。
「いやいや、当社の中では史上最高に立っているんですよ、これでも(笑)。少し前に出した『G MAX』という弾きや飛びを追求したモデルでも、7番でロフト30.5度だったんですから。やはり、ゴルファーにとってアイアンに何が一番大事か?ということですが、球が上がってどんなグリーンでも止める。狙う。距離の階段をしっかりキャリーで作るというのがPINGの開発姿勢なんです。長岡さん、『G400』アイアンはいかがでした?」
――本音で言うと、PINGさん史上最高に立ったロフトかもしれませんが、ボクには上がりすぎるくらい上がります。「そんなに上がらなくても…」って感じでした。サイドスピンも少なく、ミスに強い。ちょっとボクにはサイズの大きさがトゥマッチでしたけど、顔はキレイです。
「長岡さんはヘッドスピードが速いのでそう思うかもしれませんが、一般ゴルファーには本当に球の高さって高すぎて困る人のほうが少ないんですよ。キャリーが伸びることって、どんなゴルファーにとっても重要なことなんです」
――いや、それはよく分かりますよ(笑)気になってることがあるんですが、なぜ『i25』『i』から『i200』、『G30』『G』 から『G400』と、桁番号が三桁になったんですか?『i40』や『G40』の流れのほうが分かりやすいと思うんですけど。
「確かに、ご指摘どおり2017年モデルから一新して三桁になっています。数字のネーミングは社内でも議論があったのですが、過去よりも一新されて良いものが出来たと考えてもらっていいです。PINGは常に上がりやすくて止めやすく、ミスヒットに強い“スコア第一主義”を考えてクラブを作っています」
以上のように、最近キャロウェイ『EPIC STARアイアン』のぶっ飛び系アイアンが気になっていた筆者だが、PINGの話しを聞いてノーマークだった『i200』も気になる存在に。(筆者の重視する、バックフェースのデザインが個人的にいまいちカッコイイとは思えないが…)ぶっ飛び系アイアンでも振らずにスコアが出ることが判明しているだけに、さて、どうするか。(実はバックフェースのデザインが苦手だが、新しい『AP2』も無茶苦茶いいんだよなぁ〜)
Text/Mikiro Nagaoka