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短期間で飛ばし屋になった葭葉ルミに学ぶ"長尺ドライバー術"

text by kazuhiro koyama

配信日時:2017年8月31日 18時00分

クラブの恩恵で、短期間に飛距離を伸ばすには?

葭葉のエース『クレイジー CRZ-435』

葭葉のエース『クレイジー CRZ-435』

 今季、葭葉の使用するドライバーは、クレイジーの『CRZ-435』。いわゆる地クラブで、クレイジーは高弾性カーボンシャフトで人気のメーカーだ。余談になるが、今でこそ、多くの大手シャフトメーカーが採用している高弾性カーボンシートだが、2000年台後半にクレイジーが登場した頃は、強度の問題もあり、ラインナップするメーカーは少なかった。

 『CRZ-435』は、フェースに「DAT55G」という素材を採用している。「DAT55G」は、反発係数を基準値に抑えるのが難しいと指摘するメーカーもあるほど、性能に定評のあるチタン合金だ。今季の葭葉の飛びをみて、クラブがルールに適合しているのかどうか、クレームを入れようとした選手がいるというウワサもある。
 
 もっとも、仮に反発性能がルール違反になるほど高かったとしても、15ヤード以上の飛距離アップはまず不可能だ。飛距離アップの要因は、長尺化の恩恵のほうが大きいだろう。『CRZ-435』は、重心距離が33.5mmと短く、フェースが返りやすいヘッドだと言っていい。ヘッドが大型化する中で、40mmを超えるモデルが主流となる中、重心距離が短く、重心位置が低く浅いこのモデルは、際立った特徴がある。一部に、熱烈なファンがいる所以だ。

 葭葉は、46インチの長尺にしながら、ヘッドの特性を活かして、振り遅れを補っている。ヘッドスピードが速くなるだけでなく、つかまったボールになりやすいので、スピン量も減り、ランで距離を稼げる弾道になりやすい。

 葭葉のように、クラブの恩恵を活用して、短期間で飛距離アップすることはアマチュアにも可能だろうか?
 
 長尺にするデメリットは、ミート率が低くなりやすいことだ。安定した結果を出すには、スイングプレーンがスクエアに近く、クラブがシンプルな動きをする必要があるだろう。葭葉自身も、トップでシャフトが飛球線の右を向く「クロス」の状態になり、プレーンを外れる。これは振り遅れの原因になりやすく、彼女のウィークポイントといえるだろう。

 長尺にすると、アイアンなど他のクラブとの振り感が揃いにくいこともデメリットだ。長尺ドライバーで振り遅れないスイングは、アイアンでは左にいきやすくなるおそれがある。葭葉は今季、シーズン途中でアイアンセットを変更しているが、よりドライバーとのマッチングを目指したものだと推測できる。

 これらのデメリットは、フィッティングである程度、解消することが可能だ。重量を軽くして振りやすさを持たせ、シャフトは少し硬めのフレックスにする。ヘッド重量も軽めのほうが、相性は良いだろう。長尺ドライバーが苦手な人も少なくないが、これはクラブが合っていないケースも少なくない。フィッティングが上手く嚙み合えば、クラブで飛距離アップの夢が叶うかもしれないだろう。

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