一方、操作性が高く、さらにパワーのあるゴルファー向けの『GBB EPIC Sub Zero』は、ロフト角10.5度のモデルを使用した。このスペックだと、『STAR』の9.5度よりも同じか、やや高めの弾道になる。同じロフト角なら、『Sub Zero』のほうが弾道は低くなるだろう。

　本来は、ボールが上がりにくいはずの『Sub Zero』だが、ロフト角10.5度のヘッドなら、打ち出しが高めに上がり、安心感がある。高く上がったボールは、そこから吹けあがることがなく、前に前に飛ぶ。上がりすぎたかなと思える弾道が、ずっと前にいって飛距離を稼いだというシーンが何度もあった。

　『STAR』と『Sub Zero』、両モデルに共通する特徴は、球質の良さではないだろうか。ボール初速が速く、スピン量が抑えられた強い弾道が、オートマチックに打てる。球質が強いので、高い打ち出し角でも、最高到達点からさらにひと伸びするような弾道で、飛距離を稼いでいて、エネルギーロスする感じがないのだ。

　ヘッドが持っている飛ばしのポテンシャルは紛れもなく高い。しかし、いわゆる難しいクラブではないものの、飛距離が出るだけに、その力を引き出すには、ロフト角やシャフトの選択、弾道調整機能などのセッティングが重要になりそうだ。

　多くのゴルファーの場合、ロフト角を多めにして打ち出し角を高くし、キャリーと安定感を出すセッティングの方が、飛距離を伸ばせるだろう。フック系の持ち球で、ボールが低めのゴルファーは打ち出し角が足りないと、ボールがドロップしやすいおそれがある。ヘッド重量は重めなので、その人のスイングに応じて、タイミングの取りやすいシャフトを選びたい。