『118』は、分厚い手応えで、“濃縮”した芯のある打感
一応、シングルハンデを維持する筆者も、正直、打つ前はボールに当たるのかさえ、不安になるほどだった。これだけ、ゴルファーに訴えかけ、存在感が迫ってくるようなクラブはなかなかない。
ショートアイアンは同社のマッスルバック『MP-5』よりもさらに小ぶりになり、一方トップエッジを厚くして、上目の打感の頼りなさを解消している。これによって、打感はより分厚くなる。
打点のブレに寛容ではない。当たりが悪いと、特に縦距離が落ちやすく、ショートする場合も少なくなかった。それでも、ボールに当たるし、前にも飛ぶ。このシャープな形状でも、ヘッドの挙動はむしろ安定していて、全く手のつけられない難しいクラブというわけではない。ヘッドスピードの速い中上級者なら、十分に使いこなせるだろう。
もちろん、軟鉄一体成型の打感は、格別だ。チタン複合の『518』とは異なり、しっかりと芯を感じて、分厚く手に伝わる感触が残る。これが“濃縮”された打感なのかと思う。コントロールショットが、イメージ通りに飛び出したら、身震いするほどのいい手応えがあった。決して、ミスに強いクラブとはいえない。しかし、いいショットが打てれば、その感触で気持は高ぶり、より前向きで攻撃的にプレーできる。打感はスコアに関係ないとはいえ、こうした心理面もゴルフでは無視できない要素だ。
