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ギアの進化を巧みに取り入れ、バーディを量産した宮本勝昌

text by kazuhiro koyama

配信日時:2017年8月2日 17時10分

発表間近の『TOUR B X』を使って4日間で25個のバーディを量産した宮本(撮影:鈴木祥)
発表間近の『TOUR B X』を使って4日間で25個のバーディを量産した宮本(撮影:鈴木祥)

45歳のベテラン、宮本勝昌が発表間近の新ボールで優勝

 近年、国内男子ツアーはハイスコアでの決着が多くなってきている。選手たちが飛距離を伸ばし、積極的にバーディーを奪う攻撃的なプレーで、60台半ばから前半のスコアも頻発している。とにかく、伸ばさないと上位にはいけないのだ。今季もその傾向は顕著で、それを象徴するのが、圧倒的な飛距離を武器に、現在、賞金ランキング1位を走るチャン・キムだ。

 22アンダーで決着した「ダンロップ・スリクソン福島オープン」で優勝したのは、45歳の宮本勝昌だった。最終日は圧巻のコースレコードタイ「63」をマークして、スコアの伸ばし合いを制した。

 オレンジ色のボールがトレードマークの宮本だが、この試合では一般的な白いボールを使っていた。10月に発売予定の新製品、ブリヂストン『TOUR B X』ボールを使用していたためだ。もともと、宮本がオレンジのボールを使い始めたのは2000年のブリヂストンオープンで、試合中に誤球をしてしまい優勝を逃してしまったという苦い経験がきっかけだ。白いボールということで、「いつものオレンジなら、すぐに自分のボールだとわかるけど、(白いボールでは)同じ方向に行ったときなんかは、結構ドキドキする」と取材陣を笑わせた。

ボールの性能に手応えを感じて新ボールの即時投入に踏み切った(撮影:鈴木祥)

ボールの性能に手応えを感じて新ボールの即時投入に踏み切った(撮影:鈴木祥)

 1ヤードを競い合うプロにとって、ボールの変更は距離感が狂う原因にもなりかねないデリケートなものだが、宮本は馴染みのオレンジでなくても、すぐに新製品へとスイッチした。それは新しいボールの性能に手応えを感じていたためにほかならない。宮本は「セガサミーカップ」からボールをスイッチし、ドライバーの飛距離を6から7ヤード伸ばしたという。コントロール性が高いのも高評価の理由のようだ。

 ブリヂストンは今年、タイガー・ウッズとボール契約を結んだ。現在は試合に出場していないものの、世界で最も優れた感覚派ゴルファーであるタイガーが選んだということで、同社のボールは改めて注目されている。宮里優作やブライソン・デシャンボーに優勝をもたらし、全英オープンでは初優勝に肉薄したマット・クーチャーやブラント・スネデカー、レキシー・トンプソンらのトップ選手も使用。もちろん看板プロである宮里藍も愛用し、世界で戦っている。いわば、世界基準のボールと言えるだろう。

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