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BSとPRGRの「科学の眼」にこれまで何度救われてきたことか

8月3日にオープンする『PRGR GINZA EX』、そして丸の内に7月6日にオープンしたばかりの『Bridgestone Golf Garden Tokyo』。奇しくも、筆者はこの2社の科学の眼に救われて今があるのです!

配信日時:2017年8月1日 11時06分

BSのフィッティングで吹け上がりの原因が判明

筆者がドライバーの吹け上がりに悩んだ期間は長い。4年くらい使った圧倒的なエースドライバーが割れたことをきっかけにドライバー探しを始めたのだが、スイングにも迷ったため、右手首のフリップの悪癖が知らぬ間についてしまっていた。

自分の吹け上がりの原因は「ダウンブローすぎるせいだ」と数年思い込んでいたのだが、これがフリップのせいだと気づかせてくれたのは、ブリヂストン(以下、BS)のフィッティングがきっかけだった。都内赤坂のインドアレッスンのオープン記念で、『M-Tracer』と連動した合うシャフトをフィッティングするサービスを2年前に体験したのだが、筆者の打ち出し角は18〜20度近くになっていた。

当日のフィッティングでは、フリップが酷すぎてどんなに先が硬いシャフトを打ってもスピン量3000回転を下回ることができなかったのだが、それも当然。左手が腰の前に居続け、右手首を手のひら側に折るフリップはインパクトロフトを必要以上に付けてしまうため、スプーン以上の番手を打っているのと同じだからだ。

今年のJGFでBSの新スイング解析を体験。リキミ過ぎが数値で判明

BSは背中(肩)、腰、左手首にジャイロセンサーを付けて力の出力を測ります!

BSは背中(肩)、腰、左手首にジャイロセンサーを付けて力の出力を測ります!

BSの「フィッティング」というより、「次世代スイング解析」には今年の始めに救われることになった。

ゴルフフェアでこれを体験したのだが、BSはPRGRと同様にジャイロセンサーを肩・左手首に付け、床反力計とトラックマンを組み合わせてスイング解析を行っていた。
上のマップではプロとアマのスイング効率を評価。下のマップでは生み出す出力と効率の関係を表示。青のゾーンが男子プロゾーンだ

上のマップではプロとアマのスイング効率を評価。下のマップでは生み出す出力と効率の関係を表示。青のゾーンが男子プロゾーンだ

PRGRサイエンスフィットとの違いは、ゴルファーのスイング型を体系的に分類して弱点を導き出すことで、完全なるレッスンツールだといえる。そして、この計測から分かる最大のポイントは「力の出力を数値化する」部分だった。

上図のように、BSのスイング解析では「力の出力」と「インパクト効率」を可視化したマップを作っている。もちろん、プロゴルファーはこの効率が高い。そして上図の下のマップでは「総エネルギー」という力の出力具合の数値を横軸に採用している。

筆者はいつも通りのスイングでぶちかますと、この300の上限を振り切れてしまい、表示されなくなってしまった……。(マップに出すために、抑えて振ってくれと言われる始末)

先日優勝した宮本勝昌プロの出力はまさかの「160」。筆者の半分以下!

振れば軽く300ヤード以上飛ばせる宮本勝昌プロ。ところが、力の出力をあえて抑える自制心の高さこそが活躍の秘訣だった!

振れば軽く300ヤード以上飛ばせる宮本勝昌プロ。ところが、力の出力をあえて抑える自制心の高さこそが活躍の秘訣だった!

それと比較するのは、先日優勝した宮本勝昌プロ。デモンストレーションだったからとはいえ、総エネルギーは160くらいで、スイング効率が著しく高い状態だ。これは何を意味するのかというと、筆者がいかに肩周りや両腕がリキんでいるかを示している。そして、プロゴルファーがいかに余計なエネルギーを使わずに効率的にボールにエネルギーを伝えているかということだ。

言葉にすると「当たり前じゃないか」と思われるだろうが、このデータは筆者には衝撃だった。宮本勝昌プロの倍以上もリキんでぶちかますがために、スピン過多で飛ばずに曲がる。自分でやっておきながら、そんなものがスイングと呼べるのかどうか……。(思えば、左手親指を痛めたきっかけもぶちかまそうとして、動かない左手を右手で無理に押して負傷したんだっけ…)

このBSのスイング解析で出た筆者のヘッドスピードは、宮本勝昌プロと変わらなかったが、使っているエネルギーはプロは半分以下だということが数字で出た。筆者が10ある力を12使おうとするのに対し、宮本勝昌プロはおそらく10ある力のうち6か7くらい出力する感じだろうか。(この次世代スイング解析は先月オープンした丸の内の『Bridgestone Golf Garden Tokyo』で受けられる)

これを機会に、筆者はマン振りをやめた。正確に言うと、マン振りの質が変わったというべきか。少なくとも、両腕と肩周りをリキませる上体の出力は極力減らそうと努力を重ねている。不意にリキむこともあるにはあるが、随分とクラブに任せるスイングになって曲がりが減らせるようになってきた。(ヘッドスピードはさして落ちていないのが不思議…)

長々と書いてきたが、BSとPRGRのフィッティングに救われてきた筆者。本当に両社には感謝しきれない。ゴルフ歴十数年の紆余曲折を経て、ようやく曲がって吹け上がるドライバーが「スイング」と呼べる状態になってきた。変なぶちかまし欲は、もう出すまい。エースドライバーも、左手親指も、スコアも、【上体のリキミはゴルフの全てを破壊する】のだから。


Text/Mikiro Nagaoka

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