ウェッジが増えれば、球筋も増える!
おすすめの使い方は、2つある。ひとつは、他のウェッジと同じ振り幅で打ってみること。例えば、52度でハーフショットして、飛距離が50ヤードだとしたら、同じ振り幅と同じボール位置で打てば、60〜70ヤードくらいの飛距離になる。つまり、ウェッジが3本あれば、ひとつの振り幅で、3つの距離が打ち分けられるわけだ。同じ振り幅で打てば、精度の向上も期待できる。
もうひとつは、少し練習を重ねて、同じ距離を複数のウェッジで打ってみることだ。例えば、40ヤードの距離を48度、52度、58度のクラブでそれぞれ打ってみる。そうすると、同じ距離であっても、ボールの高さ、スピン量、着地してからのランの多さなどが異なってくる。48度なら、打ち出しは低く、スピン量は少なく、ランが出やすい。58度なら、打ち出しは高く、スピン量は多く、ランが少ない。
ピンが奥にあれば、手前に着地して、ランが活かせる48度が役に立つ。仮にランがあまりでなかったとしても、ミスにならない安全な攻め方ができる。また、48度で打ったほうが、アゲンストの風の影響を受けにくい。球が低く、スピン量も少ないためだ。
例えば、2段グリーンの上の段にピンがあるとき、58度で直接段の上にキャリーさせるなら、常に奥にこぼれるリスクがある。かといって、手前から転がそうとしても段でボールが止まってしまいがちだ。そんな時は、ロフトの立っている46度や48度あたりで、下の段から転がしていくとやさしい。適度にランが出て、上の段まで登っていく。難しい局面でも、クラブを駆使することで寄せが簡単になるのだ。ピンが手前なら、花道から転がすのも有効だ。ランが多ければ、チップインの可能性も高まるし、パッティングのラインもわかりやすい。
アマチュアには1本で十分というプロもいるが、実際にはクラブで打ち分けたほうが球筋を変えるのが容易で、手持ちの技が増える。球の高さやスピンのコントロールという上級テクニックが、番手を変えることでアマチュアにも実現できるのだ。
アイアンが飛ぶようになった反面、アプローチが不調になった人はいないだろうか。ウェッジを増やすことは、シンプルで成功確率の高いアプローチを行いやすくなる。スコアにこだわるなら、使ってみて損のないクラブだ。
