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コヤマカズヒロが選んだ、2016年の"大賞"アイアンは?

text by kazuhiro koyama

配信日時:2017年1月20日 14時00分

二極化するアイアンセットの現状

 今回もドライバー編に続き、私見ながら、2016年のベストアイアンを選定してみたい。しかし、その前に、プロモデルとアベレージ向けモデルで二極化が進んでいるココ1〜2年のアイアンの傾向について紹介しよう。

 ドライバーは、プロが使うようなアスリート向けモデルでも、アベレージゴルファーやシニア層が使うモデルであっても、全体的に低スピン化が進んでいる。高弾道でスピン量の少ない、いわゆる棒球で飛距離を出せるモデルが、想定ユーザーのレベルやヘッドスピードを問わず、トレンドになっていると言っていいだろう。
Z765アイアンをこれまでのアイアンロフトピッチとすると、M2は1番手、UD+2は2番手の飛びということになる

Z765アイアンをこれまでのアイアンロフトピッチとすると、M2は1番手、UD+2は2番手の飛びということになる

 一方、アイアンに関しては、プロが使用するようなモデルと、どちらかと言うとヘッドスピードがそれほど速くない一般ゴルファー向けのモデルで、大きな機能の差が生まれている。

 前者はマッスルバックやハーフキャビティで、小ぶりなヘッドとシャープな形状を持ち、コントロール性と振りやすさを重視している。製法は軟鉄鍛造が主流で、単一素材のものも多く、打感や打音へのこだわりを感じる。ロフト角はPWで46度前後と、飛距離を出す設定ではない。

 一方、後者は、ポケットキャビティが主流でソール幅が広く、重心を低く深くして、ボールを上げやすくしているのが特徴だ。強度が高くて薄いフェース素材を採用し、弾き感が強いモデルが多い。それらに加えて、ロフト角がストロング化して、飛距離を重視している。PWのロフト角は42〜44度くらいで、中には、38度というモデルもある。プロモデルとは、平均で1番手〜2番手分の差があるのだ。

 アイアンに操作性や打感の良さを求める中・上級者と、飛距離とやさしさを求めるゴルファーがハッキリと別れ、アイアンもそれに合わせてモデルの個性がより際立っている。ゴルファーは、自分が求めるものを見極めて、購入したいモデルがどちらに当てはまるかに注意したいところだ。個性の違うアイアンセットを2つを打ち比べるのも面白い。きっと上達につながるフィードバックが得られるのではないだろうか。

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