つるやゴルフのオリジナルブランド『ワンサイダー』の最新モデルは、“全番手 短尺専門設計”という意欲作。いち早く最新モデル『ワンサイダーJi』のドライバーからアイアンまでを試打したというクラブコーディネーターの鹿又芳典氏は、「短尺の常識を覆す飛距離と、OBを気にせず叩きにいけるやさしさに驚いた」とその性能を評価する。
<br><br>取材協力/ハンズゴルフ都筑 写真、構成/田辺直喜
アイアンは6番と7番が8番とほぼ同じ長さに
『ワンサイダーJi』では、アイアンにおいても独自の短尺設定を採用している
ドライバーからFW、UTと短尺の強みを生かしつつ、高いパフォーマンスを見せた『ワンサイダーJi』。そんな中で鹿又氏が強い興味を示したのが同シリーズのアイアンだった。
『ワンサイダーJi』のアイアンの長さの違いをチェックする鹿又氏
「スペックを見て、すごく興味を引かれたのが実はアイアンです。8番が長さ36.5インチなのに対して、7番36.625インチ、6番36.75インチと細かく刻んでいたからです。でも、現物を見てすごく腑に落ちました。『ワンサイダーJi』のアイアンは、番手別にしっかり目的を持って作られたクラブなんです。まず7番はロフト設定で言うと32度になっています。なぜこのロフトなのかと言うと、立ちすぎるとミート率が悪いゴルファーが番手なりの飛距離を出しづらくなるからです。32度はすごく扱いやすいロフトですし、8番に近い感覚で高くて止まる球が打ちやすくなります。一方、6番は飛ばすためにロフトを26度と立てています。『ワンサイダーJi』アイアンの中で6番は最も大きい番手ですから、しっかり飛距離を稼ぐことを目的としているのでしょう。スペックを見るだけでも、このクラブの作り込みの深さが分かりますね」(鹿又氏)
鹿又氏はアイアンヘッドの構造についても言及する。
フェースにチタンを採用(6I〜9I)するなど、ヘッド自体の構造も工夫されている
「ロフトなりの弾道を出すために、ソールを厚くするといった工夫もされていますね。また、フェース面を見ると、ヒールとトゥ側の高さの差が少なく設計されています。これはフェースの下めに当たっても打ち出し角を確保してキャリーを出すために有効な形状です。あと、フェース自体がチタン製になっていることも大きな特徴です。チタンは軽量ですから、余った重量を周辺に配分することで、オフセンターヒットでもボールが曲がりにくくなります。スペック、ヘッド構造など、どれもラウンドした時に結果が出るように考えて作られていることが分かります」(鹿又氏)
同じような長さでもしっかり飛距離差が出る
8番から順に試打して、番手ごとの飛距離や球質の違いをチェックする鹿又氏
『ワンサイダーJi』のアイアンの作り込みの良さは分かったが、気になるのはほとんど8番と同じ長さで、しっかり番手間の飛距離差が出るかということだ。鹿又氏はまず、基準となるロフト36度の8番から試打を始めた。
「ソールを厚めに設計している『ワンサイダーJi』ですが、構えた時には全く見えないので、全然気になりません。むしろトップブレードの厚みによる安心感が強いです。球筋はストレートから軽いドロー。非常にキレイな弾道ですね。スイング中、ヘッドの挙動はしっかり感じられますが、基本的にはセミオートマチックとも言うべき性能のアイアンですので、毎ショット同じ感覚で打つことができます」(鹿又氏)
続いてロフト32度の7番。長さはわずか0.175インチしか変わらないが、結果は?
「8番とほぼ同じ長さなので、同じイメージで構えられますね。さすがに飛距離差は出にくいのでは?と懐疑的に思っていましたが、打ってみるとしっかり飛距離差が出ていました。それでいて、少しフェースが開いたり、当たりが薄いと感じた時でも結果がほとんど変わらないんです。番手ごとの差がしっかり出つつ、ミスにも強いのはコースで武器になりますね」(鹿又氏)
8番と7番の試打データ。打ち出し角やスピン量にしっかり差が出ていて、番手ごとの飛距離差がしっかりあることが分かる
最後はロフト26度に設計された6番だ。
「これ、めちゃくちゃいいですね(笑)。ロフト26度で7番と1.5番手ほど差をつけているわけですが、それは6番を飛ばすためのクラブに位置付けているからです。実際、中弾道の強く伸びる球で飛距離は180ヤードを超えてきました。それでいてタテ距離のバラつきも小さく抑えられています。距離を出しつつ、ラインを出したい時にピッタリなクラブですよ。8番から順に試打してきて、7番はグリーンを狙うための高くて止まる球、6番はとにかく飛距離を稼ぐという明確なコンセプトを持って設計されていることがよく分かりました。いずれも8番に近い長さの短尺設計で振りやすさを出しつつ、結果が出るように作り込まれているわけです。番手間の飛距離差がしっかりありますし、弾道が違うことで状況に応じた使い分けもできる。非常に実戦的なアイアンに仕上がっています」(鹿又氏)
7番とは明確に球質の違いが出た6番。悪いライから飛距離を稼ぎたい時、しっかりライン出しをしたい時に力を発揮する
ゴルフのプレーを楽しむためにぜひ使ってほしい
“短尺 専門設計”を、ぜひゴルフを楽しむことに生かしてほしいと鹿又氏
ドライバーからアイアンまで『ワンサイダーJi』をじっくり試打してきた鹿又氏。“短尺 専門設計”というコンセプトを高いレベルで実現したことに驚きを隠せない。
「どの番手においても、短尺化した状態で最大限のパフォーマンスが出るよう作り込まれていたことには本当にビックリしました。スコアが伸びないゴルファー、練習がそこまでできないゴルファーが楽しくラウンドすることを考えたら最高の武器になりますよ。繰り返しになりますが、アマチュアゴルファーはドライバーが当たれば絶対スコアが良くなります。43.5インチの『ワンサイダーJi』はそれが簡単に実現できる強力なツールなのは間違いありません。また、そのコンセプトがFW、UT、アイアンでも同じターゲットに、同じ結果が出るよう作り込まれています。ミスショットを減らし、グリーンを狙っていくこともできれば、間違いなくゴルフが楽しくなりますし、スコアアップもできるでしょう。たくさん練習しなければできなかったことを、簡単にできるようにしてくれるのが『ワンサイダーJi』です。長さを含め、本当に驚いてもらえるクラブに仕上がっていることを保証します」(鹿又氏)
『ワンサイダーJi』は、全国のつるやゴルフの店舗にて試打が可能。通常の長さのドライバーと打ち比べるなどして、ぜひ“短尺 専門設計”のメリットを体感してほしい。