4点集中フェースで真ん中打点の初速アップ
ましてやヘッド左右MOI が4500g・㎠ に過ぎないとなれば「やっぱり、ミスヒットに弱いのでは?」と疑念に拍車がかかります。「ギリギリ反発で高初速エリアが広い」と謳ってきた『RS』らしくないというか、正直あまり期待できない自分がいました。
何しろ、世は高MOIドライバー全盛です。慣性モーメントが大きく、ミスヒットに強いドライバーを海外メーカーも国内メーカーも追求しているわけで、同社も『LS』や『egg』でそれを達成しているのに『RS JUST』は敢えて高MOIにしないと……。いくらプロや上級者が使う『RS』シリーズの新作でも「ちょっと解せないなぁ……」と。
▶▶▶「タニさんの契約も納得……」。谷口拓也はプロギア『RS JUST』で何m/s初速が上がった?
そして、谷口拓也プロの「RSとRS Fはつかまらない方向に一個ずつズレた。特にRS Fは初速も出るし、スピンが減って飛ばせるよ」の評価にも、激しく共感。筆者と違って、頭デッカチでない人は、こんなにも素直に性能評価ができるんですね……(泣)
キャリアが長めで高MOIが苦手な人にイイ!?
新作の性能を一番感じたのが、『RS F』から『RS』にヘッドを替えた時。打ち下ろしの狭〜いホールで、今までの『RS』のつかまり過ぎる印象から、狙いを右の林の上にとって打ちました。1球目は向いた方向通りのストレートが右の林に刺さります……。
暫定球は少し内側を狙うと、またも同じストレート球。明らかに今までの『RS』よりつかまりが穏やかで、素速い球がグイグイ空気を切り裂きます。以前より軸線深度が浅く低重心なせいか、意図通りにヘッドが動いて風にも強い。これなら、高MOIヘッドで振り遅れor嫌がってヒッカケを繰り返す人も、素直に3W以下と球筋が揃いそう。
ドライバーだけ別のスイングを強いられないため、筆者はアイアンの調子まで良くなりました。かなり実戦的かつ、反発性も飛距離も◎。フェースの反発ルールがある中で、プロギアはエグい盲点を突いて来たようです。(疑ってすみませんでした……)
Text/Mikiro Nagaoka