R&Aが検討する、クラブ長の規制とは?
ふたつめは、仮に48インチにしたところで、飛距離が伸びるかは疑わしいということだ。経験のあるゴルファーであれば、48インチのドライバーを振り回して、大きく飛距離アップするイメージが沸く人はまずいないだろう。R&Aの研究では、46.5インチから48インチにシャフト長を伸ばすと、6ヤードほど飛距離が伸びる結果になったというが、クラブ長を伸ばしても同等のミート率が維持できると考えているのだろうか。
ゴルフは、ミスヒットしたり、ボールが曲がってしまえば、ゲームを進める上で、著しく不利になるスポーツだ。シャフトを伸ばすということは、それだけゲームを難しくする要因を抱えることになる。たまたま当たった6ヤードの飛距離アップなど、メリットにならない。まして、シャフトは振り切れないとヘッドスピードは上がらない。長くしたところできちんと振り切れるゴルファーは少数派なのだ。まるで、お腹が痛いのに頭痛薬を処方されるような、いかにも居心地の悪い変更案だと感じる。
以前にも慣性モーメントの制限(5900g平方cm以内)、ヘッド体積の制限(460cc以内)が施行されたが、これも大きければ有利というものではなく、同時に振りにくさなどのデメリットが生まれるものだが、その点は考慮されていないようだ。本来の目的とは離れた、実勢にそぐわないルールが今回も提案されている。こうした規制が行われても、プロの飛距離は今後も伸び続けるだろう。