タングステンが前作の2.2倍で芯が広い!
「新しい『P790』は、アイアンにやさしさを求める人も、カッコよさにこだわる人も必見です!」と語るが、まずはテクノロジー面ではどんな進化を遂げているのか? 早速、見ていこう。
また、わずか1.5mmとテーラーメイド史上最薄のクロモリ鋼L型フォージドフェースを採用。反発力がアップして安定した飛距離性能を発揮するとか。
飛びと打感だけでなく、“やさしさ・ミスへの寛容性”も大幅に引き上げられている。ヘッドのトゥ側に、前作より2.2倍に増量した 31gものタングステンでさらなる低重心による高弾道と寛容性を実現した。貫通型スピードポケットも健在で、下部ヒットにも強い。
打点ズラシで判明。上下左右のブレに激強
前述の通り、貫通型スピードポケットの影響か、下部ヒットでも球が上がって飛距離ロスは約3ヤードのみだった。通常、飛距離が大きく落ちる上側の打点でもしっかり飛距離が出ている。また、ラフで打ち込み過ぎた際に起きる上部ヒットでも、落ち込みが少なく、上下の寛容性が高かった。
また、左右ズレは上下より距離の落ち込みに強いのが一目瞭然。弾道も芯で打つとつかまりのいいストレート〜ややドロー。特にトゥ側の当たりは、芯と変わらないナイスショットが印象的だった。飯沼プロは「アイアンに求められるすべての機能を、高いレベルで備えている」と驚く。
飯沼プロ 「5cm手前から入っても平気」
「ダフリに強いアイアンを探すなら、ハイバンスがオススメ。ボールの5cm手前にヘッドを鋭角に入れても刺さらず、ヘッドが上昇しながらボールを前に運んでくれます。『P790』のようにリーディングエッジの角が削られていると刺さりにくいし、ラウンドソールはライが悪いところでもソールがスムーズに滑る効果を感じます」。
「バックフェースはマッスルバックのようなシャープなデザインで、バッグに刺さる姿がカッコイイ。打った印象は、とにかくやさしくて距離が出て、見た目からは想像できないくらいミスに強い。また、操作性や打感の柔らかさもハイレベルで、アスリートからアベレージまで幅広いゴルファーが使える、オールラウンドモデルです」(飯沼プロ)
石坂友宏、全美貞、山路晶もビックリ
まずは、売り出し中の若手実力者・石坂友宏は新『P790』を初めて打つなりこう言う。「球が上がりやすいのでラクです。感触も良くて、弾きもいいです。どちらかというとボクは球が低いほうなので、これはいいかもしれませんね。長い番手を『P790』にするのはアリですね」。PGAツアープロたちにも多いコンボの可能性を話していた。
国内女子ツアー25勝のレジェンド・全美貞も新『P790』の上がりやすさに驚く。「ボールがラクに上がるのがいいです。フェースが長いクラブはかぶって見えることも多いですが、これは真っすぐで構えやすい。あと、ダフっても飛ぶ!(笑)ミスに強いのでアマチュアの方にも心からオススメできます」と、絶賛していた。
普段から女子プロには珍しく4Iを使う山路晶は新『P790』の5Iで200y以上の高弾道にビックリ。「やさしいし上がりやすい。もしかしたらロングアイアンをP790に替えるかもしれません。アマチュアの人にも超オススメですね」。球が低くミスヒットが多い人で、アイアンにカッコ良さを求めるなら、かなりの狙い目だと言えそうだ。
文・苔縄和裕 撮影・山代厚男、相田克己
取材協力・ゴルフクラブ成田ハイツリー