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「タテ距離が全て」。上田桃子の復活優勝を支えた、ニコンの距離計は何が凄い?

上田桃子、35歳。今年2年ぶりに「パナソニックオープンレディース」で15勝目を挙げた、現役シード選手では最年長級のレジェンドである。そんな上田の復活要因を聞くと、距離計の活用を真っ先に挙げた。

配信日時:2021年7月20日 13時00分

「距離計で100y内の距離感を見直した」

この復活劇が、多くの中堅・ベテラン選手に勇気と希望を与えるきっかけに

この復活劇が、多くの中堅・ベテラン選手に勇気と希望を与えるきっかけに

国内女子ツアーの第一人者、上田桃子。若くして賞金女王に輝き、海外経験も豊富。35歳の今年は婚約発表もあり、人生の転機を迎えている。そして、今年の前半戦を振り返ってみても【女子ツアー全体の転機】と言えるのが、「パナソニックオープンレディース」での彼女の復活劇である。

▶▶▶鈴木愛の“苦悩”と励みとなった“私と似ている”もう一人の女王・上田桃子

この勝利は多くの中堅・ベテラン選手たちに勇気と希望を与え、青木瀬令奈、笠りつ子、菊地絵理香、鈴木愛が上田に続いて次々と復活勝利。春先は若手の台頭から世代交代がさらに進むと見られたが、ここへきて「ベテラン VS 若手」の対決構図がファンをさらに熱くさせている。観る者にも、同業者にも好影響を与え続ける上田の復活の裏に何があったのか。
大会前の合宿でタテ距離の基本を見直した結果、全ての不安は消えていました

大会前の合宿でタテ距離の基本を見直した結果、全ての不安は消えていました

「優勝できた前の週は、急遽、試合を休んでコーチとプチ合宿をして、60〜100ヤードで10ヤード刻みのウェッジの距離感の基本を見つめ直しました。私がずっと大事にしてきたのはタテの距離感。アメリカで戦っていた頃、強い選手はここが優れているのに気づいて以来、大切にしてきた基礎の部分です。

好調時は各距離とも2ヤード以内を外さなかったけど、技術面ばかりに気を取られてここが知らないうちにズレてきて4、5ヤードになっていた。この基本を見直すために、ニコンの距離計を使って正確な距離を測ってからウェッジを打つ距離感の基本に立ち返った。コースでも練習場でも、プチ合宿以来、今もずっと継続してますね」(上田桃子)
凄まじい集中力で「全英」で結果を出しましたが、弊害も…

凄まじい集中力で「全英」で結果を出しましたが、弊害も…

いったい何が彼女を迷わせたのか。飛躍を遂げて見えた世界との戦いに話は遡る。昨年6位タイに入った「AIG全英女子オープン」で、世界の強豪たちと対峙した上田。その場でターンするイン・トゥ・イン軌道の回転系の世界のスイング潮流に刺激を受けた。

だが、元々彼女はスライド&ターンのインサイド・アウト軌道で育った選手。その差を埋める試行錯誤を重ねたが、「大事なタテの距離は“出来ている”と、基本を見失い、応用ばかりに目がいってしまっていた」のだった。

「目から来る情報でミスしないで欲しい」

“世界の潮流”といえば、弾道計測器にも同じことが当てはまるだろうか。PGAツアー選手をはじめ、国内女子ツアーでも試合会場に「トラックマン」などを持ち込み、画面に表示にされる数字で距離を把握、参考にする選手も多い。

だが、上田は「その数字が信じ切れるかどうか」と、弾道計測器でなく、信頼するニコンの距離計で実測して打つやり方にこだわる。世界を見過ぎて自身の強みを失っては本末転倒。同じ轍を踏むつもりはない。

加えて、目標までの自身の視覚的な見え方や風などを加味して、実際のプレーに近い状態を想定してこそ、練習が活きるとの考えだ。話を聞いていて、ここには一切の迷いを感じなかった。
練習場でも、コースでも。必ず目標までニコンの距離計で測るのがルーティン

練習場でも、コースでも。必ず目標までニコンの距離計で測るのがルーティン

「アマチュアの方は特に実感があると思いますが、目からくる情報ってすごく心理やプレーに影響しますし、惑わされやすいですよね。調子が悪いとピンが遠く見えたりして必要以上に怖がって逃げたりします。プロも同じですが、ゴルファーって距離が信じきれないと、技術自体が狂ってしまうもの

だから、正確な距離を測って迷いから起きるミスを消す。私のルーティンは、必ずニコンでまず測ること。これが全ての基本というか、距離を正確に把握しないと、タテの距離感は作れません。全ての原点というか、面倒くさがらずに、距離を正確に知ることがスコアのレベルアップに繋がることを知ってほしいです」


たしかに。耳は痛いが、上田の言う通りだ。我々アマチュアは、目から入ってくる情報にあまりにも惑わされてきた。加えて「左右の曲がり」にも相乗効果が出てくると言う。

「タテ距離が合うとヨコの曲がりも減る」

タテの距離感は、全てに繋がります。ここが合ってくると、左右の曲がりもなくなってくるのがゴルフ。アマチュアの方はヨコの曲がりをすごく嫌がりますし、女子選手でもタテの距離感を大事にする選手が意外と少なく見えます。タテを合わせるには、打点も正確でなきゃいけないし、力感も入射角も全てが揃わないと作れません。もちろん、スイングリズムや、スピードのコントロールも。全ての基礎なんです。

プロ・アマでご一緒する方によくあるんですが、バンカーや池をすごく嫌がって逃げる方が多くて。本来、タテ距離を把握していれば、逃げずに自分のスイングをするだけですが、視覚的なプレッシャーでタテ距離に不安があると、余計なスコアが増えてしまう。プロではないですし、アマチュアの方はショットにかける余裕や時間が少ない中で、正確な距離の把握も難しい部分はあるんですけど……」


そう、我々アマチュアはプレーの全てにおいて余裕などない。プロのように優秀な専属キャディが付いてくれるはずもないし、何より肝心の技術面が一番頼りないのだから、致し方ないだろう。が、上田はそんなことはないと諭す。

「距離計が解禁すればスコアは良くなる」

「距離計が試合で解禁されたら、絶対にスコアが良くなるはず」と予言していた上田桃子

「距離計が試合で解禁されたら、絶対にスコアが良くなるはず」と予言していた上田桃子

「打ちたい場所や、行ってはいけない場所まで距離がどれくらいか? 技術面に関係なく、この把握をするかしないかで、結果スコアに差が出るのがゴルフです。そして、これはニコンの距離計を使えばすぐに分かること。距離計って色々ありますけど、【手ブレ補正機能が入っているニコンは測りやすさが違います】よね。

レスポンスも凄くいいし、当てたい場所にすぐ当てられるから、キャディさんに聞いたり、自分でヤード杭や看板を探したりするより早く正確に距離が測れると思います。直近の【全米女子プロ】やメジャー大会でも距離計が解禁されますけど、絶対に時短になるし、全体のスコアも良くなるはずだと思います」
「KPMG全米女子プロ選手権」で試合中の距離計使用が解禁!優勝したN・コルダも距離計を活用していました!

「KPMG全米女子プロ選手権」で試合中の距離計使用が解禁!優勝したN・コルダも距離計を活用していました!

そう、取材は「KPMG全米女子プロ選手権」の開催前だったが、米国LPGAツアーとUSGAは、メジャー大会でレーザー距離計の使用を解禁した。今後は、欧州女子ツアーや米国女子ツアーの一般大会でもどんどん解禁されていくという。

▶▶▶今週の女子メジャー会場で距離計測器が解禁 渋野日向子、畑岡奈紗は使う?使わない?
▶▶▶全米プロで解禁の距離計測器は“プレーのスピードアップ”になる!?

上田の予言通り大会は超ハイスコアとなり、優勝したネリー・コルダがティショットを曲げた際にキャディに頼らず自ら距離計を使うシーンが印象的だった。【短時間で、正確に距離を測る】ことがいかにスコアに重要か? 距離計が競技に及ぼす影響度を感じずにはいられなかった。

「新機種は音で知らせる“測れた感”が◎」

「レスポンスも超イイし、重なり合った目標物を測定すると音で知らせてくれるのが最高です!」

「レスポンスも超イイし、重なり合った目標物を測定すると音で知らせてくれるのが最高です!」

「絶対に、プレー時間が早くなりますよね。それに、迷いが消えるから、集中できます。ゴルフって、一人のプレーに意外と時間があるようでいて、実は判断すべきことが多くて、実際は時間がないんですよ。だから、そこがシンプルになって全選手がこういった距離計を導入してくると、全体のスコアも上がっていくと思いますね。

それに、私は日本人なので、やっぱり日本ブランドを使いたい。ニコンの『クールショット』シリーズをずっと使い続けていますけど、本当にベスト。使いやす過ぎて、これ以上ってあるの!?って本当にいつも思います。しかも、6月に発売された『COOLSHOT PROII STABILIZED』って、音で知らせてくれるから“測れた感”がすごくある。完璧ですよね」
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手ブレ補正機能と音で知らせるシリーズ最高峰モデルの『COOLSHOT PROII STABILIZED』を絶賛した上田。が、同じく手ブレ補正機能付きの『COOLSHOT LITE STABILIZED』も捨てがたい。その他、振動で知らせる『COOLSHOT 50i』や、ニコン現行シリーズ最軽量の『COOLSHOT 20i GII』と、細かな好みで4機種から選べるのが嬉しい。

プレー時間短縮のための距離計解禁。男女メジャーを皮切りに、欧州女子ツアーやその他の試合にも今後拡大されるのが世界の潮流だ。いずれ国内女子ツアーも解禁される日が来るだろう。そして、コロナ禍のセルフプレーの影響で、国内男子ツアーでも今年5月から既に解禁済み。国内シニアツアーも解禁済みだ。

もはや、14本のクラブ同様、距離計は完全に“必携のゴルフギア”と言って過言ではないだろう。世界を知り、いい時も悪い時も乗り越えて来たレジェンド・上田の言葉や予言は傾聴に値する。「スコアのレベルアップ」をしたい人は、いち早くベストなものを入手しておきたい。

Text/Mikiro Nagaoka
Photo/Hiromu Sasaki,GettyImages

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