ミズノやホンマ、国内メーカーの“逆流”トレンド
筆者 【ソナテック】の名前は知ってましたけど、実際のモノはボク初めてですね。なんか、国産ブランドの海外版からの逆流って、ホンマやミズノと似た流れですね。最近はピン、テーラーメイド、キャロウェイなど外ブラが大人気なので、ちょっと楽しみ。
P編 おぉ〜〜、顔はオーソドックスですね。シャローでもディープでもなく、安心感がありつつも、叩ける・押せる感じの匂いもしますね。でも、このソールのウェイトは何でしょう? 村田さん、この位置にウェイトビスがあるヘッドって、珍しくないですか?4.5gってウェイトに書いてありますけど、チューニングも出来るってことですよね? 後方ウェイトなら分かりますが、この位置のウェイト調整はほとんどないパタンに感じません?
筒 なるほど、たしかに外ブラの中にはあまりない選択肢かも!
内部重心を計測すると【浅・やや長】ヘッド
筆者 たしかに、いま簡易的にイスに置いて重心角を見てますが、めちゃくちゃ重心角が小さいですね。投影面積は普通だし、ヘッドもつかまり顔なのに、見た目に反してけっこう浅重心ですね。
筆者 意外というのは? 組み方的に、ややフックフェースに見えますし、これだけ浅重心だと、球が低いロードローが出やすいとか?
P編 まぁ、人によるけども、長岡の予想とは真逆だったんじゃない?
筒 村田さんが正解。答えは誰が打っても【高打ち出し・低スピン】でした!
筆者 えっ!意外………。けっこう無骨なデザインだし、ハードヒッター限定のヘッドじゃないんだ?
筒 全然違いますよ。ヘッドスピードが遅めの人も、速めの人も弾道計測器では、【高打ち出し・低スピン】を作っちゃいます。ちょっと、300yヒッターの小坂支配人に打ってもらいます? 長岡さん、データを目の前で見ないと信用しないでしょ?
小坂支配人「初速81.5m/sは初めて」
―― 設置されているスカイトラックで計測 ――
筆者 うわっ、たしかに筒さんの言う通りですね……。打ち出し角が18度以上なのに、スピン量が2000回転前半。まさに、高打ち出し・低スピンです……。
小坂支配人 いや、それはそうなんですけど、ボク的にはこの打ち出し角だと上がり過ぎて距離をロスしちゃうんですよ。これ、ロフト10.5度以上ないですか? ボクのエース『TSi3』はロフト8度なので、ちょっと打ち出し角を抑えたいくらい……。打ってて感じるのは、左へ行きづらいことと【高打ち出し・低スピン】なことかな。
筆者 いや、村田さん、そこじゃなくて驚きなのは初速でしょ。こんなに上方向に打ち出してるのに、ボール初速がいきなり76m/s近く出てますってば!
筒 ………。(やはり、気づいたか……)
小坂支配人 いや、まだ当たってないんで、もっと行けると思いますよ。ほらっ!
―― 支配人、強振! ――
小坂支配人 あらら……、うん、最高記録ですね。インパクトでうまく押せてなかったのに、何でだろう……。(エース『TSi3』の初速越えられてるじゃん……泣)
筒 だから、言ったじゃん! ボクが言ってた通りでしょ! ちょっとは信用してくださいよ……。
筆者 う〜〜ん……、いや、ダメです。バケモノみたいに飛ばせる支配人が打ったら、何で打っても飛ぶでしょ! 支配人が打ったらどんなクラブでも初速出るに決まってるでしょ。それに、【高打ち出し・低スピン】も、クラチャン常連の支配人が上手いからに決まってます!(キリッ)もっと、HSが遅い一般的な人に打ってもらわないと……。
HS40m/s以下の自称・170yヒッターが試打!
マスター え? ボクは下手だし、ドライバーなんてほとんど練習しませんから、参考にならないですよ? ここの機械だとせいぜい170ヤードくらいですから、遠慮しておきます。
小坂支配人 いや、そこを何とか……。すごく疑い深い人がいて、困ってるんですよ……。
マスター どうなっても知りませんよ? じゃあ、打ってみますね。
―― マスター、170ヤード越えを目指し、試打 ――
筆者 マスター、すみません。どんな感じですか?
マスター シャフトが柔らかいから、戻ってこない感じがしますけど、打ちやすいですよ。まだ、ウォーミングアップなので、慣れたらもうちょっと当たると思います……。
筒 ほらぁ〜〜、だから言った通りじゃないですか〜!
筆者 マスター、自称・170ヤードって、嘘ですよね? 220ヤード近く飛んでますけど?
P編 長岡、データ主義もいいんだけど、本質を見なきゃいけないんじゃないの? 多分、今回の『TD II』って、浅重心で低スピンだけど、10.5度ですごく打ち出しも高くなるのも事実だと思うけど、そこより何より、歴の長い人が「振りやすい」って感じることだと思う。
大手外ブラは、高MOIヘッドの方向に進んでるんだけど、重心が遠く・深く離れるほど振りづらいっていう人もいる。今回の『TD II』は海外からの逆流版でありながら、その方向にアンチテーゼを張ってるから、「振りやすく・低スピン・高打ち出し」を実現したのがポイントじゃないのかな。
筒 長岡さん、ゴルファーの全員が、高MOIの恩恵を受けると思ったら、大間違いですよ!
筆者 ぐぬぬ………。(分かってますってば!)
Text/Mikiro Nagaoka