タテ振りがフラットに。『TOUR B X』で飛距離アップ!
プロ入り前からブリヂストンのクラブとボールを使用するが、ずっと見守ってきた同社のツアー担当者は「プロ入り時、まだ体幹が十分できてない中で腕振りの要素が大きかったですね。結果、調子が悪い時には上からクラブが入り、スピン量が3000rpmを超えてしまう、いわゆる【吹け上がる球】が多かった」と言う。
もちろん、大里自身も自覚していたが、今オフのスイング改造で「あとはパットだけ」とショットに自信を持てる状態に仕上げていた。「開幕からショットは本当に安定していて、前はすごくタテ振りだったんですけど、少しヨコ振りというか、プレーンが寝てインパクトが詰まらなくなりました」と大里。
ツアー担当者も「ここ数年、下半身をどっしり構えて上半身を捻る動きを意識してから入射角がかなりフラットに入るようになりました。加えて、『TOUR B X』ドライバーを使用してから初期条件が格段に良くなった。現在のスピン量は平均2500rpm位で、右への吹け上がりもかなり減っています」と話す。
スタッツでも飛距離アップは明らか。初優勝した2018年の平均飛距離が236.42ヤード(40位)、2019年が237.35ヤード(49位)で、いずれも小ぶりな過去モデルを使用していたが、『TOUR B X』ドライバーを使用する2020-21年はここまで244.55ヤード(17位)。「身長の割に飛ばない」と周囲から揶揄された過去の姿はもうない。
インパクトで詰まらない。【桃子ソール】の『201CB』
プロ入り以来アイアンは2018年モデルの『X-CB』だったが、今季大里は『TOUR B 201CB』に変更。前作よりややコンパクトで、よりストレートネックでシャープな顔だが、これが奏功したのか? BSのツアー担当者は「アイアンで勝負する大里プロはミリ単位のバンスにこだわるため、かなり腐心しました」と振り返る。
3〜4月、そして5月とコースコンディションが冬から春に変化していくにつれ、特殊なグラインドの【桃子ソール】は開花していく。「悪い時はインパクトで詰まって引っかけやショートが多かった」という大里だが、担当者と必死に意見をぶつけ合うことで生まれた【桃子ソール】の『201CB』は暖かくなるにつれ、意のままに操れるようになっていた。
「パットが良くなって、アプローチもよくなった」
「開幕から4週間くらいはパターのイップスに悩んで残り30cmでも気持ち悪いので、グリーンを外したら【タップインくらいに寄せなきゃ】と思って、パターのせいでアプローチも寄らなくなってました。でも、パターが良くなって、アプローチも良くなりました」(大里)
「通常プロが使用するウェッジは【ノーメッキ】なので、水につけるとたった1時間くらい置くだけでも錆びが出ることもありますが、大里プロは常にこのウェッジを大切に使い、数か月使っても錆が全く付いていません。どれほど彼女がこのウェッジを愛してくれているかが分かりますよね」(同)
アライメントしやすい『TOUR B XS』も一助に!
前述の通り、今年の開幕から4試合はパターに悩み、30cmのパットにさえ悩む極度のパターイップスになった。そんな中、握り方やパターの長さ、リズムと共に【パッティングに集中できる一助】となったのは、アライメント入りボール『TOUR B XS Just In Alignment』だ。
このマークはターゲットに向けて集中してボールを転がすイメージと、スクエアに構えやすいよう、アライメントラインが工夫されている。開幕から悩み抜いたパットだが、結果的に【わずか4週間で解決できた】のは、パターを含めた様々なギアの力を複合的に取り入れたことが大きいと言えるだろう。
本人の聞く耳や実践力はもちろん、さまざまな分野の問題解決力に長けた相談相手がいる限り、【3勝目】も大里の想定より早く訪れそうな気がしてならない。
Text/Mikiro Nagaoka