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本間ゴルフの『T//WORLD GS アイアン』ってどんなクラブ?

ロマン派ゴルフ作家、ゴルフエッセイスト、ヴィクトリアゴルフのショップ店員、ALBA編集部のギア担当など、専門家が話題のギアをズバッと解説!

配信日時:2021年5月14日 17時00分

「遊び心と真剣さを両方満足できるアイアン」 by ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典

<試打スペック>『T//WORLD GS アイアン』
ヘッド素材 :17-4プラス+タングステン(#4〜#7)、17-4プラス(#8〜SW)
フェース素材:AM355P
シャフト  :SPEEDTUNE 48(S)
ロフト   :#6/26度、#7/29度、#8/33度、#9/37度、#10/42度


ロマン派ゴルフ作家の篠原です。
今回は『T//WORLD GS アイアン』のお話です。

『T//WORLD GS アイアン』で最初に感じたのは、落ち着くなぁ、ということでした。アドレスしたときに、クラシカルなアイアンを手にしているような安心感があります。それは細部にわたるゴルファーのための美しさが生むものです。トップエッジのしっかり感。トゥサイドの曲線。全体が小さく見えるのも良いです。


実際にコースに持ち込んで打ってみました。

『T//WORLD GS アイアン』の打音の音量は、ちょうど良い大きさです。この辺りの調整は本間ゴルフらしさが出ています。打音はやや湿った金属音で、やわらかさを連想させる音質です。打ち応えは、インパクトでグッと重さを感じます。それでいて、フェースの硬質な感覚は希薄で、ボールを潰して、運んでいく瞬間が味わえます。この打った感触は、本間ゴルフらしさよりというよりも、独特な感覚です。

弾道は、やや低めの高弾道で、初速感がある強いボールが出ます。ボールは少し伸びがあるきれいな軌跡を描きます。これは気持ちが良かったです。特徴として、ややとらえる動きに敏感なので、引っかけ癖があるゴルファーは要注意です。

『T//WORLD GS アイアン』の飛距離性能は、ロフト通りで、クラシックロフトのアイアンより、きれいに1番手アップの飛ぶアイアンに仕上がっています。飛ばすだけであれば、もっと飛ぶアイアンを作れたと感じる余裕があるアイアンです。その分、他の部分が美しくなるように整えたのだとわかります。アイアンの本質に忠実なクラブです。


『T//WORLD GS アイアン』は、しっかり振って打ちたいゴルファーと、ドロー目のボールが持ち球のゴルファーにオススメします。最も良かったのは、スピン性能のバランスです。かなりの高いレベルのスピン性能で、ツアーレベルを越えて、遊び心を感じるぐらいのバックスピン量です。スピンを使って点で攻めたいゴルファーにも『T//WORLD GS アイアン』はオススメです。

『T//WORLD GS アイアン』は、総合力が高い、面白いアイアンです。面白いというのは、本格的な部分と遊びの部分の混じり具合が変わっているということです。深いキャビティーのアイアンを感じさせません。

『T//WORLD GS アイアン』は、今の本間ゴルフを切り取った断面のようなアイアンです。本格的な部分と、それと対極にある素人受けする部分が上手く融合しています。飛距離ではなく、アイアンの面白さを楽しみたいゴルファーに打って欲しいです。

コメンテータープロフィール

篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家・ゴルフギアライター。ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、現在はゴルフエッセイストとして活躍中。

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