プロが求める飛距離とコントロール性能を両立
「前作の『TP5x』は硬い打感と球離れの速さで、ツアー系の中でも飛びに特化したボールでした。しかし、新しい『TP5x』は前作よりも打感が柔らかいのに飛距離性能がアップ。ボールがフェースに乗る時間が伸びた分、球筋や弾道の高さを打ち分けることもできます。また、アプローチの打感もソフトになって、スピン性能がアップ。PGAツアーのタフなコースを攻略できる、飛距離とコントロール性能に優れたボールに進化しています」(海老原プロ)
マキロイもファウラーも、前作ではソフトでよりスピンがかかる『TP5』の方を選んでいたが、飛ばせる『TP5x』がソフトかつスピン性能も上がったとなれば、当然新しい『TP5x』を選ぶのも納得。だが、どうしてこんなに急激な進化が可能なのか?
ところで、ボール開発は「何かを求めれば何かを失う」トレードオフ関係がつきものだが、今作で新しくするに辺り、何も失ったものがないように見える。「必要なものだけを手に入れる」、都合のいいボール開発などあるのだろうか? これを実現できる理由がテーラーメイド独自のボール構造に隠されている。
独自の5層構造が初速と最適スピンを生む
【1〜3層】 サイズが大きくなり反発力が高まったコアを含む3層構造の「トライファストコア」が効率的なエネルギー伝達を行うことで無駄なバックスピンを排除。ロングショットでの飛距離アップを実現する。
【4層】 インナーカバーには、新素材「HFM=HIGHFLEX MODULUS」を採用。2017年モデルより30%高弾性な素材で、ボール初速を向上させる。
【5層】 アウターカバーには、ソフトながら耐久性が高いキャストウレタンを採用。グリーン周りでの自在なスピンコントロールを実現する。
女子プロの一番人気。『SIM2 MAX』に『TP5』が合うって本当?
⇒正しいボール選択で「ティショット革命」を! 女子プロの『SIM2』を活かす最強ボール『TP5』
プロが選んだドライバーとボールは、「打ちたい球が明確にわかる組み合わせ」だという海老原プロ。
どんな状況でも真っすぐターゲットを狙う人にピッタリで、方向性が安定しない初中級者や、球を曲げず真っすぐターゲットを狙う上級者にも合います。テーラーメイド契約の女子プロ人気ナンバーワンなのも、すごく頷ける結果でした」(海老原プロ)
PGAツアーで人気。『SIM2』に『TP5x』はぶっ飛び!
「こちらはPGAツアーの人気も分かるというか、ハードなクラブとボールで、パワーヒッターが左を気にせず飛ばせる組み合わせですね。ある程度、対象ゴルファーは限られますが、飛距離のポテンシャルはナンバーワンです。また、ドライバーは『SIM2』を使いたいけど、ラクに飛ばしたいという人は、ソフトな『TP5』と合わせてもOK。
『SIM2 MAX』で、できるだけ飛距離を出したいという人は、強弾道の『TP5x』を選んでも大丈夫なので、自分のヘッドスピードやプレースタイルに合わせて、最適な組み合わせを見つけて欲しいですね。テーラーメイドのドライバーを買った人は、ボールとセット使った方が飛距離を伸ばせるのは間違いなさそうです」(海老原プロ)
コスパ重視ならこちら!低価格帯ボールも“使える”
最新ツアーボールの価格は、1ダース6000 円以上が主流。一方、1ダース3000 円を切るボールも増えているが、これら“低価格帯ボール”の性能は年々高まっている。なぜなら、最近の低価格帯ボールは、そのメーカーの1、2世代前の技術を使って開発費を抑え、既存の素材を生かすことでコストを抑えているから。低価格でも最新ボールに近い性能を持っているというわけだ。
また、テーラーメイド『ツアーレスポンス』のように、ウレタンカバーで、アプローチのスピン性能が高いモデルも登場。最新のツアーボールには届かないが、アマチュアには十分なスピンがかかるので、価格差を考えればコスパの良さが際立っている。
さらに、『ソフトレスポンス』などディスタンス系ボールも、飛距離性能の高さはもちろん、アプローチ面での性能も向上。最高性能のツアーボールもいいが、お値段以上の性能を持つ、低価格帯ボールにも注目だ。
文・苔縄和裕
撮影・相田克己