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タイガー不在のマスターズに、「チームブリヂストン」への期待

昨年は11月に行われたため、例のない短いスパンで開幕する2021年のマスターズ。2月に交通事故によって重症を負ったタイガー・ウッズは不在だが、回復を願って「チームブリヂストン」を担うプロたちが、オーガスタに臨む。text by Kazuhiro Koyama photo by GettyImages

配信日時:2021年4月5日 16時30分

世界に感動を与えた、タイガーの2019年マスターズ復活優勝
世界に感動を与えた、タイガーの2019年マスターズ復活優勝

タイガーを襲った交通事故の衝撃

今年もマスターズの季節がやってきた。
新型コロナウィルスの影響で昨年は11月に行われたこともあり、もうそんな時期かと感じるファンも多いだろうが、世界的なコロナ禍を少しずつ乗り越えて、再びマスターズのある春が戻ってきたのだ。

しかし、悲しい話題もある。一昨年の覇者、タイガー・ウッズが2月23日(現地時間)に、猛スピードで車道を逸脱してクラッシュするという大事故に見舞われたのだ。いまだにその原因は公表されていないが、タイガーは足を複雑骨折する重症を負った。

命には別状はないとされているが、選手生命に関わる大怪我であることは間違いない。手術は成功し、2か月後にはリハビリを開始するということだが、今後の状況は予断を許さないものだ。当然のことながら、今大会でのタイガーの出場はない。
タイガーが乗っていた乗用車。命に別状がなかったのが不思議なくらい、大破している

タイガーが乗っていた乗用車。命に別状がなかったのが不思議なくらい、大破している

一昨年のマスターズ優勝は、まさにスポーツ史に残る復活劇だった。ケガの影響から再出場もままならず、プライベートの問題もあって、かつて無敵を誇った世界ランキングも1199位まで落ちたタイガーが、それらを乗り越えて11年ぶりにメジャー勝利を挙げたのだ。その不屈の精神に、ファンは喝采を送った。

タイガーの劇的な復活劇によって、ブリヂストンのボールも大いに存在感を高めた。タイガーがブリヂストンと契約したのは2017年から。各メーカーのボールをタイガー自身が徹底的にテストして、最終的に選んだのが、ブリヂストンだったというエピソードは有名だ。
ブリヂストンゴルフ公式サイトには、「TOUR B」ボールを使用するタイガー(TOUR B XS)、デシャンボー(TOUR B X)の写真が掲載されている

ブリヂストンゴルフ公式サイトには、「TOUR B」ボールを使用するタイガー(TOUR B XS)、デシャンボー(TOUR B X)の写真が掲載されている

その当時のタイガーは、試合出場も満足に出来ない最も低迷した時期。運転マナー違反で逮捕というショッキングな事件もあった。しかし、2018年の「ツアー選手権」、そして2019年の「マスターズ」、そして日本で行われた「ZOZOチャンピオンシップ」とタイガーが優勝を重ねるたびに、その使用ボールである『TOUR B XS』も大きく躍進していった。“タイガーが選んだボール”ということで、その人気は世界的なものになったのだ。
左上から反時計回りに、赤シャツ着用の呼びかけ人となったマキロイ、パトリック・リード、トニー・フィナウ、そして赤いシャツがなかったため代わりに赤い帽子をかぶった"チームブリヂストン"のマット・クーチャー

左上から反時計回りに、赤シャツ着用の呼びかけ人となったマキロイ、パトリック・リード、トニー・フィナウ、そして赤いシャツがなかったため代わりに赤い帽子をかぶった"チームブリヂストン"のマット・クーチャー

タイガーの事故をうけ、PGAツアーは大きな衝撃と深い悲しみに包まれている。しかし、そんな中でタイガーにエールを送るため、多くの選手たちがタイガーの勝負服である赤黒のコーデでプレーした。



ローリー・マキロイ、ジェイソン・デイ、トミー・フリートウッド、キャメロン・チャンプといった選手だけではなく、プエルトリコ・オープンではメンテナンススタッフが、赤黒の服を着て試合をサポートした。ツアーの誰もがタイガーを応援し、その回復を願うために行動した。

タイガーはその光景を見て、「TVの電源を入れて、全ての赤いシャツを見たとき、どれほど感動的だったかは、説明するのが難しい。全てのゴルファーとファンへ、あなた達は、私がこの困難な時期を乗り越える力になってくれる」とTwitterでコメントした。

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