テーラーメイド、キャロウェイの最新1W使用者が次々に!
2017、2018年のドライビングディスタンス王のマキロイも、デシャンボーの“ハルク化”で差を付けられていたが、昨年10月から『ベンタスBK』6Xに切り替え、ボール初速を引き上げた。マキロイのInstagram動画や、ヨーロピアンツアーのTwitter投稿でも明らかなように、『ベンタスBK』の6Xと、テーラーメイドの最新作『SIM2』の組み合わせになって以来、また一段と飛距離を引き上げたように見える。
また、契約フリーのダニエル・バーガーもテーラーメイド『SIM』に6Xの組み合わせで勝利。キャロウェイ勢でもフィル・ミケルソンが47.5インチ(MAVRIK Sub Zero)、ジム・フューリク(EPIC SPEED PROTO)も47インチと『ベンタスBK』で長尺化して飛距離アップに成功。ブランデン・グレイス(EPIC SPEED PROTO)も6Xを選び、PGAツアーで復活勝利をはたしている。
このように、『BK』だけではなく、『BLUE』を含めた『ベンタス』シリーズがPGAツアーを中心に、世界中のツアーで加速していることが分かる。ツアーもヘッドもスイングも全く違っているプロたち。一体、なぜこのシャフトが選ばれるのか?
先端部の【VeroCore】テクノロジーがブレに強い
先端が強くて当たり負けを防げると、必然的にボール初速も出やすくなる。しかも、軽量化しても低スピンを保てるなら、長尺化のみならず、ヘッドのロフト選択で自在に望むフライトを作りやすくなる。
もはや、“パット・イズ・マネー”だけではなく、“ドライバー・イズ・マネー”も加速する世界のツアー。これらの場所でトップを目指すには、従来の“置きにいく安定”より、ハードに振っても【スピードアップ+安定】を得られるものを選ぶ。その目的に『ベンタスBK』が合致すると選手たちはよく知っているのである。
取材前から『BK』がエースの谷口拓也が全スペック試打!
「ボクら男子プロに近い中・上級者は、シャフトに余計なことをして欲しくない人が多いです。基本的に、どんなシャフトでもタイミングを合わせて真っすぐ飛ばせますし。『ベンタスBK』は、その点、アイアンで『DG』系を使う人が同じ流れで振れる感じ。アイアンで『DG』を使っている人は、慣れているし、打つ時に何も考えないでしょ? そういうのって、選手にとってはけっこう大事な部分なんですよ。
これは【打てる人限定】の話しにも聞こえるが、一般アマチュアにはどうなのか?
『BK』は最新ヘッドと最先端スイングに合いますよ。どんどん体を開いて回転速度を上げるPGAツアー選手のようなハンドファーストに捉えて飛ばす打ち方というか。そういう最先端スイングやクラブに敏感な人は、初速を増して飛びと安定の両立を狙えると思います。今まで他の6Sを使っていた人も、重量帯やフレックスを落としてぜひ5Sや5Xを試してほしいです」(同)
『BK』全スペック試打! 『BLUE』との違いは?
『BK』の剛性分布が直線に近い素直なものなのに対し、『BLUE』と手元剛性はさほど変わらないが、手元よりから真ん中まで、大きくグラフが落ち込んでいることが分かる。素材や補強の仕方の違いにもよるが、端的に言えば、「BLUEの方がはるかにしなり量が大きく、動きもマイルド」だと言える。
シャフトに疎い人には「より純正シャフトに近い万人向けの仕上がりが『BLUE』」と言うと分かりやすいかもしれない。素直でクセがないが、強い負荷をかけた時の戻りや反応は『BK』の方がはるかに良いことが判断できるだろうか。では、改めて各スペックを試打した谷口のコメントを聞いてみよう。まずは、50g台の【5S】と【5X】から。
いずれにせよ、PGAツアー選手たちがこぞって使うだけあり、同じ『ベンタス』でも『BLUE』と『BK』は別モノと認識して選びたい。なお、谷口が言う「どのスペックでも『BK』は球が暴れない」こともあるが、下記の試打結果のように、シャフトとしてもかなり低スピン。自身のヘッドや傾向に合わせて、適切に選びたい。