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【バケモノたちの使用ギア】お詫び、ダスティン・ジョンソンの1Wはアッパーブローだった!

PGAツアーデータ・ドリブンシリーズとして、さまざまな公式データからギアとバケモノの相関関係をひも解いていく企画。今回は、正直にお伝えしなきゃいけないことがあります。それは……

配信日時:2017年7月4日 01時14分

直近のDJの軌道が判明。トラックマンのツアースタッフがブログで公開していた!

長田プロの指摘から気になって見直してみたDJのボール位置。直近の画像ではすごくボールが中よりに見えたし、去年の画像では左カカト線上くらいに見え、どの話も整合性がとれない。そこで、いろいろと見ていくうちに、弾道計測器『トラックマン』のツアースタッフが、メキシコ選手権でのDJのインパクトデータを公開していた。これで、謎が解決した。

以下、トラックマンのツアースタッフ、クリスチャン・ハーン氏の投稿(https://blog.trackmangolf.com/dustin-johnson-2017-wgc-mexico/)を引用すると、下記のようになる。

“2017年のWGCメキシコトーナメントで、世界一のダスティン・ジョンソンと会いました。ダスティンが電話をかけている間、彼は私たちにいくつかの数字を提供するのに十分親切でした。まあ当然、ダスティンは実際にトーナメント、おめでとう!このトーナメントは海抜約7500フィートで行われたので、距離は狂っています!”(クリスチャン・ハーン)

ドライバーのトラックマンデータ画面

トラックマンのツアースタッフが公開したドライバーのデータ(優勝したメキシコ選手権の練習日)

トラックマンのツアースタッフが公開したドライバーのデータ(優勝したメキシコ選手権の練習日)

画像にあるとおり、ヘッドスピードは約54m/sで、ボール初速は約81m/s。アタックアングル(入射角)は約2.8度のアッパー軌道で、クラブパスが−3.1度左に傾いているとおり、ややカット軌道でとらえて薄いフェードを打っていた。(ちなみに、高知にあるため、キャリーもトータルヤードもおかしな数字が出ている)

DJの使用するテーラーメイド『M1 460』はロフト11度。打ち出し角が13.6度と緩やかなアッパー軌道になっているため、ボール位置は長田プロが指摘した『MAT-T』のデータほど左にはなく、昨年9月のドイツバンク時のものくらいの位置だといえそうだ。

今度は6番アイアンのデータ

6番アイアンは、ものすごいダウンブローだった!この番手でこんなに上から打てるとは……

6番アイアンは、ものすごいダウンブローだった!この番手でこんなに上から打てるとは……

ちなみに、6番アイアンのデータが上の図。こちらはアタックアングルが―6.5度とかなりのダウンブローになっている。(だいたい、プロの平均は約3〜4度のダウンブローだとか)これだけのヘッドスピードと強烈なダウンブローで捉えている割に、スピン量が5212rpmと少ないのはテーラーメイド『TP5X』ボールの効果と思われる。(ローリー・マキロイもアイアンのスピン量の少なさでこのボールを選んだとか)

重ね重ね言うが、上記のキャリーもトータルも高地だからおかしな数字が出ているとのこと。それ以外は最新のトラックマンで測られたもののため、正確なデータと見ていい。以前の記事で、谷口拓也プロが「最近のPGAツアープロたちは、クラブパスが真っすぐでフェースを閉じた状態を早く作ってストレートな状態を長く作っているんですよ」と指摘していたとおり、そのポイントもよく現れている。

ドライバーは―3.1度のカット軌道に対し、フェースアングルは2.7度閉じた状態で安全にハイフェードを打つ。6番アイアンはそれよりも真っすぐな軌道だが、同じく1.7度閉じた状態でフェードを打っていた。

いずれにせよ、筆者の「ダウンブローなのでは?」という考察は誤りだった。ここにお詫びして訂正したい。それにしても、変速スイングのキャリーモンスター・DJがやっていることを考察しようなんて、なんと無謀な企画を立ち上げてしまったものか。だが、やめるわけにはいかない。アッパー軌道と分かったからには、もちろん、週末にまた無謀なDJの真似をするつもりである。(今度は球が上がるかなぁ……)


Text/Mikiro Nagaoka

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