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【バケモノたちの使用ギア】お詫び、ダスティン・ジョンソンの1Wはアッパーブローだった!

PGAツアーデータ・ドリブンシリーズとして、さまざまな公式データからギアとバケモノの相関関係をひも解いていく企画。今回は、正直にお伝えしなきゃいけないことがあります。それは……

配信日時:2017年7月4日 01時14分

DJのアッパー軌道の秘密は、「ツアーで最も左にあるボール位置と体を激しく倒すこと」(長田プロ)

「MAT-Tのデータでは、赤色の位置くらい左にボールがありますよ。点線の位置にアドレスで左肩があり、それくらい体を倒すんです」と語る長田プロ(写真・岩本芳弘)

「MAT-Tのデータでは、赤色の位置くらい左にボールがありますよ。点線の位置にアドレスで左肩があり、それくらい体を倒すんです」と語る長田プロ(写真・岩本芳弘)

先日の記事で使用した最新の連続写真が上のものだが、この写真ではボール位置は通常の左カカト線上よりもボールがかなり内側にあるが、テーラーメイドの長田プロによると「ダスティンはもっと左にボールを置いているはずです」と、『MAT-T』に登録されたデータを見ながら指摘する。

「MAT-Tのスイングデータ登録日がいつかは不明ですが、ここに入っているデータではダスティン・ジョンソン選手のボール位置は、ツアーでも最も左にあるといっていいほど、左なんですよ。これが彼の特殊なところで、登録されている6番アイアンなども通常の選手と比較してもかなり左寄りにあります。

これは、彼のスイングの最大の特徴である、左手甲を折るトップとつながってくるはずです。彼は、トップで激しく左手甲を手のひら側に折り、その形を変えないままでインパクトまで持ってきます。そのため、インパクトで通常の選手なら左手甲が左股関節の前辺りにくるところが、体の外側にまで外れて超ハンドファーストなインパクトを作ります。

この特殊な手首の使い方だと超ダウンブローになるのですが、ボール位置をかなり左寄りに置くことで、入射角をアッパーに調整しています。試しに、同じアッパー軌道のジェイソン・デイ選手と比較してみましたが、ボール位置はボール3つ分以上デイ選手よりも左にありますね。デイ選手が左カカト線上のボール位置で、左股関節の前に手元がくるオーソドックスなタイプなだけに、いかにDJのスイングが特殊かよく分かります

しかも、インパクトで体をものすごく後ろに倒すタイプの選手でもあります。左にあるボールを頭を右に倒しながら体の軸を他の選手よりも倒すことで、アッパー軌道を作っているのです。こんなに体を倒すにはかなり強靭な筋力が必要です。スイングの登録日は不明ですが、MAT-Tのデータでは明らかですよ」(長田高明プロ)

この話しを聞いて、改めて他の連続写真を探してみることにした。というのも、ゴルフカメラマンは基本的に撮影アングルを一瞬で調整してしまうことが多く、たとえ左にボールがあっても、いつもの光景(左カカト線上)に入るように角度を調整してしまうこともあるからだ。
昨年9月の連続写真では、ボール位置が左カカト線上?(写真・岩本芳弘)
2010年のスイング。打ち出し角も高く、MAT-Tに登録されているスイングはこの時のもの!?(Getty Images)
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昨年9月の連続写真では、ボール位置が左カカト線上?(写真・岩本芳弘)
ちなみに、以前使ったのが今年のWGCメキシコ選手権(3月)で、今回見つけたのは去年9月のドイツバンク選手権のもの。確かにワイドスタンスのDJの左カカト線上にあるため、他の選手よりもボール位置は左かもしれないが、MAT-Tのデータほどボール位置が左というわけではなかった。

長田プロが『MAT-T』で提示したDJのスイングは、5.54度のアッパー軌道だったが、昔の画像を見ると、2010年前後のDJは体の倒し方が多く、ボールの出球が高く打ち出されている。そのため、MAT-Tに登録されたスイングデータ自体がこの時代のものではないかと筆者は疑っている。昨年の画像ではそこまでボール位置が左ではないからだ。

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