BOAはゴルフシューズのスタンダードになった!
BOAが初めてゴルフシューズに搭載されてから14年。ダイヤルがどんどんコンパクトになり、回しやすく進化している
BOAフィットシステムは2001年にロッキー山脈で産声を上げた。スノーボードブーツに搭載されたのが最初で、その後、片手で簡単にシューズを締められる画期的なシステムは、サイクリングやランニング、アウトドアをはじめ、安全靴や医療の現場にも採用されている。
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ゴルフシューズに初めてBOAを導入したのは、老舗のフットジョイ。2006年に「革新的な靴ひもレスシステム」というキャッチコピーで、カカトにダイヤルを搭載した『FJリールフィット』を発売した。それから14年が経ち、今ではアディダス、アシックス、ミズノ、ニューバランス、キャロウェイ、ブリヂストンゴルフ…と主要なゴルフシューズメーカーのほとんどがBOAを採用している。
最初は「ひものほうが良い」とBOAに懐疑的だった保守派のオヤジゴルファーたちも、今ではロッカールームでカチカチとダイヤルを回している。挙げ句の果てには、「まだひも靴を履いているの?」と言われる始末。BOAはゴルフシューズのスタンダードとなった。 今平がシューズに求めるのは“フィット感”と“歩きやすさ”
BOAフィットシステムが今平周吾の安定したプレーを支えている
18年、19年と2年連続で国内男子ツアーの賞金王を獲得している今平周吾も、フットジョイのBOA愛用者の一人。特に昨年の強さは際立っていた。初戦の「SMBCシンガポールオープン」こそ棄権したものの、2戦目の「東建ホームメイトカップ」から、最終戦の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」まで24試合すべてで予選に通過し、優勝2回を含む16試合でトップ10入りを果たしている。この驚異的な安定感は、足元の安定感から生まれているといっても過言ではない。BOAに替えて4年になるという今平が感じているメリットとは何なのか。
「打つ直前でもすぐに締められるのがいい」と今平はBOAの利点を挙げる
「シューズは履いていると少しずつ緩んできます。ひもだと緩んだときにすぐには結べません。BOAは打つ直前でもすぐに締められるのがいいですね。だからプレーに集中することができる。反対にすぐに緩めることもできるから、脱ぐもの早くて簡単です」
7月に行われたツアー外競技、「JGTO共催ゴルフパートナーエキシビジョントーナメント」の初日は雨だった。シューレースだと水を含んで、ラウンド中に結び直すのは手間がかかるが、「やっぱり雨でもBOAのほうが楽ですよね」と今平。その安定感は今年も健在で、2日間のスコアは「66」、「65」のトータル9アンダーで10位タイに入っている。
プロは6日連続で、一日中ゴルフシューズを履いている
今平は、“フィット感”と“歩きやすさ”をゴルフシューズに求めている
ゴルフは他の競技と比べると少し特殊だ。朝の練習からホールアウトするまで、ほぼ一日中ゴルフシューズを履いている。カートに乗らなければ歩く距離は10kmくらい。時間にすると、7〜8時間になるだろうか。それはプロでもアマチュアでも変わらない。プロの場合はさらに、火曜日の練習日から水曜日のプロアマ、日曜日の最終日まで6日連続でゴルフシューズを履き続けることになる。だからこそ今平は“フィット感”や“歩きやすさ”を重要視している。
「足が靴の中で動いてしまうと、歩いていて足の裏が疲れてしまいます。やっぱり長時間歩くので、なるべくピタッと足にくっついていてほしい。新しいモデルを試すときは、まずフィット感と歩いたときの感触を確かめてから、ボールを打つようにしていますね。ソールは硬いよりも柔らかく、シューズの重さは重いよりも軽いほうが疲れにくいと思います」