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60度以上の大ロフトウェッジは、アマチュアに使いこなせるのか?

text by kazuhiro koyama

配信日時:2017年6月22日 08時00分

超広角ロフト"70度ウェッジ"を試打評価!

 大ロフト角のウェッジと言えば、かつて、横峯さくらが全英女子オープン対策に、ロフト角70度のウェッジを入れたことがあった。すぐに使うのをやめてしまったが、使用するメリットを感じての選択だったはずだ。

 60度でも難しいとされるなか、70度のウェッジはアマチュアでも扱えるのだろうか。興味を覚えた筆者は、実際に70度のウェッジを購入し、様々なシチュエーションで試してみることにした。

 クラブは、グローブライドの『ONOFF ラボスペック FROG’S LEAP』ウェッジの70度。ソールの真ん中に凹みを入れた、「ツインカットソール」を採用したクラブで、バウンス角がトゥ側が24度、センターは14度、ヒール部は12度と3箇所で変化させているのが特徴だ。これは、バンカーで効果の高いソール形状だ。

 実際に打ってみた第一印象は、ボールが飛ばないということだった。大きめの振り幅でボールをとらえても、あまり前に飛ばずにふわりと上がって、ほとんどランが出ずに止まる。例えば、52度のウェッジと比べると、同じように打っても、その半分の距離も出ない。

 飛ばないとわかると、しっかりと振ることができる。ピンまでの距離が30ヤードしかなくても、フルショットより少し軽めのスリーウォーターショットくらいのスイングができる。その結果、ボールは高く、スピンは強くかかってピタッと止めることができる。強い傾斜の砲台グリーンや、ピンが手前、あるいは2段や3段グリーンの奥などで、ピンデッドに狙っていけるだろう。

 一方、結果は安定しづらい。同じように打ったつもりでもちょっとした打点のブレや入射角の違いで、距離の誤差は出やすくなる。また短い距離では、2度打ちが出やすい。その点は警戒したほうがよさそうだ。

 70度に比べたら、60度のウェッジは、フェースにボールがしっかり乗りやすく、よりコントロール感が出る。ある程度、アプローチの技術のあるゴルファーであれば、64度くらいまでは使いこなせるだろうと思う。

 正直なところ、ロブウェッジは、堅実に1打でも少なくスコアをまとめたいと考えるゴルファーには向かないだろう。しかし、難しい局面でピン周辺をデッドに狙うには有効で、ピンチを克服するスーパーショットを狙う楽しさを味わえるクラブだ。

 ゴルファーは、得てしてこれまでの先入観にとらわれがちだ。しかし、新しい武器を手にすることで、全く違う球筋を操る楽しさを味わうことができる。ロフト角60度以上のウェッジは、アマチュアのあいだでも、もっと見直されて良いのではないだろうか。

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