ALBA Net  ゴルフ
ALBA Net  ゴルフ

60度以上の大ロフトウェッジは、アマチュアに使いこなせるのか?

text by kazuhiro koyama

配信日時:2017年6月22日 08時00分

60度以上のロブウェッジの利点とは?

石川遼は64度ウェッジを投入。難しいアプローチでもパーを拾うチャンスが広がれば、攻撃的なゴルフが可能になる(撮影:村上航)

石川遼は64度ウェッジを投入。難しいアプローチでもパーを拾うチャンスが広がれば、攻撃的なゴルフが可能になる(撮影:村上航)

 60度以上のウェッジにある他のクラブにない大きな利点。それは、なんといっても高いボールが打ちやすいということだ。

 グリーンの傾斜がきつく複雑で、平らなところがピンの周辺しかないような場合、さらに砲台グリーンやバンカー越えでピンが近い場合など、ランを計算してのアプローチが難しい状況では、ロブショットが有効になる。ボールを高く上げて、ランを最小限にとどめ、ピンポイントで止める技だ。

 例えば、ラフに入ってしまったボールは、スピンをかけてキュキュッと止めることは難しくなる。芝がフェースに挟まり、スピンがかかりにくくなるためだ。そんなときもロブショットは有効だ。スピンを計算しなくても、高さで止めることができる。

 もちろんラフからでは、ボールの下をくぐってミスになりやすく、距離感も出しにくい。しかし、ピッチエンドランでは寄りそうもない難しい状況で、起死回生のパーセーブを可能にするのが、ロブウェッジなのだ。

 トーナメントの難しいコンディションで、どうしてもパーをセーブしたいツアープロが、60度以上のウェッジを入れるのもこの点に理由がある。難しい場所でもパーを拾うチャンスが広がれば、セカンドショット以降でさらにバーディを狙っていく、攻撃的なゴルフが可能になる。

 ロブウェッジは、ロフトが大きな分距離が出ないので、大きな振り幅で打つことができる。このメリットは実際のラウンドでは特に有効で、緩まずに加速しながらボールをヒットしやすくなる。深いラフなどでは、ゆっくりしたヘッドスピードでは全くボールが飛ばなくなるが、かといって、速く振るとボールは飛びすぎてしまうものだ。しっかり振って、ボールは飛ばない。その安心感が、難しい状況でのアプローチをやさしくする。

 ロフトが大きいと、スピンもかかりやすい。プロは、より強くスピンをかけたい時にフェースを開いてアプローチするが、それと同じような効果があるためだ。通常のピッチエンドランでも、ボールは高めに上がり、少なめのランで止めることができる。これは、ピンが手前に切ってあるホールなど、ボールを転がすスペースがあまりないところで、有効なアプローチになる。

 左下がりのアプローチでも効果的だ。この状況は、自然とクラブのロフト角が立ってしまい、出球が低くなってしまうが、60度以上のウェッジで打つと、適度に高さが確保できる。つまり、高さを出したいとき、短い距離でも大きく振りたいときのエクストラクラブとして、ラウンドで大いに活用できるのだ。

読まれています


おすすめコンテンツ

関連サイト