「特別が詰め込まれたドライバーだ!」 by ヴィクトリアゴルフ新宿店・永井聡
『ST200 ドライバー』は、ミズノが2020年3月20日に発売したクラブです。元々欧米で展開していた『ST』ブランドを逆輸入する形になります。『ST200 ドライバー』と『ST200X ドライバー』の2本が日本市場では発売されました。今回取り上げる『ST200 ドライバー』は、上位機種のドライバーになります。
「安心して叩ける、力強く飛ばせる、高初速×低スピン」というコピーの『ST200 ドライバー』は注目に値します。
興味津々なのは、フェースです。高反発ルールができる前に、使用されていた「βチタン」を採用していることです。飛びすぎて違反になってしまうからと使用されたなくなった素材だからこそ、フェースの裏側の構造で中央部分の反発を抑えて、フェース全体の高初速エリアを増大させるというミスショットに強いフェースを作ることができたようです。
また、クラウンをカーボンにしたコンポジットヘッドで低重心化したり、現在のトレンドである技術は全て詰まっているといえます。
『ST200 ドライバー』は、構えるとオープンに見えます。そして、バルジ(フェースのトウヒール方向に付いている丸み)が大きいことに驚きます。手強そうなイメージを持つ人も多いと思います。
新宿店のお客様の『ST200 ドライバー』に関する反応ですが、新型コロナウィルスの影響で試打をするお客様が激減した関係で、今ひとつわかりづらいのです。ミズノのクラブが好きなお客様や、情報通なお客様は、試打をしています。こういう状態であることを考えれば、クラブとしての人気や期待感はあるほうだと思います。
自分で打ってみました。最初に感じたのは「いつもの見慣れたミズノではない」でした。逆輸入ブランドということもありますが、海外ブランドのドライバーみたいだと思いました。フェースの丸みが特徴です。近年は、丸みが強いドライバーが少ないので、構えるときにちゃんと合わせないと上手く打てない可能性があります。
『ST200 ドライバー』は浮力があります。しっかりとボールが上がります。初速は速いほうですが、飛び抜けているわけではありません。ただし、少し芯を外したときに初速が落ちないのは特別だと感じました。つまり、総合的には、飛ぶドライバーです。
ミズノといえば打感です。大人しく、渋い打音です。これはゴルフ歴が長いゴルファーには「良いねぇ」と好感を持って受け入れられますが、飛距離が欲しいと強い願望があるゴルファーには、飛距離が出ないイメージになってマイナスになります。個人的には、『ST200 ドライバー』らしい打音だと感じて、好感を持ちました。
『ST200 ドライバー』は、ヘッドスピードがある程度速いゴルファーにオススメします。振り切っても、左に行かない安心感と多少のミスヒットでも飛距離性能が落ちないところがプラスポイントです。
フィッティングをしなくとも購入できるドライバーですが、フィッティングを受けてから買って欲しいドライバーです。つまり、合っているゴルファーにはカチッとはまって、最高の結果を出す可能性があるドライバーなのです。
『ST200 ドライバー』は、良い意味で、ミズノらしさを否定しつつ、良いところは詰め込んであるクラブです。腕に自信があるゴルファーと、ゴルフ歴が長いゴルファーには、一度は手に取って欲しいです。