「2代目になって完璧に!」 by ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典
<試打スペック>
構 造/3ピース
コ ア/大型ハイドロコア
カ バ ー/ウレタンカバー
ディンプル/330(シームレス330デュアルディンプル)
カ ラ ー/ホワイト、パールホワイト、イエロー、ホワイト・コーポレートカラー
2年前に発売された初代の『TOUR B X ボール』を史上最高のツアーボールだと公言してきました。頭一つ抜けた飛距離性能。コントロール性能。風の中での操作性。スピンコントロールのしやすさ。打音の気持ち良さと、芯感がハッキリした打ち応え。何も我慢せず、信頼しきってゴルフができる幸福を味わえるボールでした。
モデルチェンジした2代目の『TOUR B X ボール』には、期待より不安が大きかったのです。過去にも、究極まで進化してしまったゴルフ用具が、モデルチェンジで退化してしまうことがあったからです。
大きな期待をして裏切られることを恐れつつ、コースに持ち込みました。
一発目のドライバーで、驚きました。強烈な棒球でした。いつもよりも10ヤード以上飛びました。僕のようにハイスピンで悩んでいるゴルファーに、一発目で『TOUR B X ボール』はオススメできると確信しました。
低スピンのドライバーショットが打てるボールは、過去にもありましたが、ほとんどが、アイアンショットにその影響が及んで、使いづらいボールに仕上がってしまって、なんとも複雑な気持ちにさせられたものです。
『TOUR B X ボール』は、アイアンについても数ホールでわかります。飛距離については、前モデルより数ヤードですがキャリーが増します。また、心配していたスピン性能も、前モデルと遜色ないレベルで、ツアーボールらしく、その場で止まろうとしてくれます。逆に困ったのは、ショートアイアンとロングレンジの寄せです。スピンがかかりすぎてしまって、戻りすぎてしまうことがありました。
ハーフもしないで、新しい『TOUR B X ボール』の退化という心配は無用だとわかりました。信じられないですが、更に進化をしているのです。明らかにわかることは、飛距離性能が上がったことです。ただし、その原動力は、ウッドの場合は低スピン化で、アイアンは初速が上がったことだと思います。元々、低スピンで飛ばすことができていたゴルファーには、逆に失速するボールになって飛ばないという現象に悩まされるかもしれません。
僕は数ラウンドを経て、意図せずにフェードを打つようになりました。それが安定して飛ぶということが、経験として無意識にわかってきたからだと思います。完成度が高いツアーボールを使いたいゴルファーには『TOUR B X ボール』がオススメです。
『TOUR B X ボール』の大きな変更点として注目するべき、ショートゲームに影響するカバーの素材変更について、最後に報告します。
少しインパクトが弱くなるということですが、このくらいの微妙な差は、ほとんどのゴルファーにはわからないと思います。正直な話、僕もわかりませんでした。しかし、ウェッジのフェースを開いて打つ球種を選択して、何度かフェースが滑ってしまったというショートを経験しました。この手のミスは初代の『TOUR B X ボール』では、狙っても出にくい傾向があったので、注意が必要です。
新しい『TOUR B X ボール』は、少し怖くなるぐらいに良くなっています。特にドライバーショットでは、自分の弾道が変わってしまうほどの影響があります。最大のアピールポイントだった広い範囲のゴルファーが使えるという部分についても、完璧です。
僕は、再び『TOUR B X ボール』をエースボールにして、色々なクラブを試打する基準にすることに決定しました。
コメンテータープロフィール
ロマン派ゴルフ作家・ゴルフギアライター。ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、現在はゴルフエッセイストとして活躍中。
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