新しい『G710』、どうやって打感と音を良くした?
ピン安齋さん 「………。(やっぱりそこ突いてきたか…)中空構造の良さ、フェースのたわみで初速を失わない中で音を良くできたのは、ポリマーというか樹脂ですね」
筆者 「!!!(そ、その中空&樹脂ってまんまPXGじゃん……。今回、デザインもPXGのEXTREME DARKフィニッシュみたいに真っ黒だし……)安齋さん、テーラーメイドとPXGのウレタンフォームに関する係争とかも少し前にありましたけど、ピンさんは大丈夫なんですか? それに、同じ中空構造の『i500』とかも、ヘッドスピードが速いとロングアイアンで【ガキンッ】感がありますけど、今後はそういうのがなくなると考えていいですか?」
ピン安齋さん 「もちろん、大丈夫ですよ。他社のパテントを汚す形にはなっていませんし、今後『i500』の後継が出るかは分かりませんが、他の中空構造モデルの打感と音も良くなっていくと思います」
PCM筒康博(以下、筒) 「なんか、いろいろズルい気が……。【ズルい飛び系】というキャッチコピーも分かる気が……。(相反する弾きの良さと打感の両立……、たしかにナイキの【厚底シューズ】に似た要素だなぁ…)」
ピンで最もやさしい『G710』。MOIも過去最大!
ピン安齋さん 「軸周りのデータは今公表できないですね。本国の開発は持っていると思いますが、MOIの数値はご勘弁を……(汗)村田さんがお感じなのはヘッド挙動が穏やかな部分だと思うのですが、フェース面上の重心距離のデータならこそっと言うことはできます。公表は避けたいですが、約●●mmですね」
全員 「!!!!!!(マジか……)」
ピン安齋さん 「はい、過去に『G MAX』など様々なラージサイズのヘッドがありましたが、左右MOIは過去最大です。『G700』より約5%大きくなっていて、特にトゥ側のタングステンウェイトが効いていますね」
タメがほどけやすく、低弾道のアベレージ層に◎
筆者 「はい、まったくの同感。ボクにとってはインパクトでトゥの速さが遅いです、かなり。あんまりトゥ側打点で打ちたくないアイアンだと感じますね…」
P編 「そう、トゥダウン量の大きさも感じるしね」
サイドスピンが本当に少なくて、ちょっとドローさせたい時とか、そのままドローせず真っすぐ抜けていく感じ。球はすごく高いですけど、直球系のアイアンですし、コントロールというよりオートマチックさとミスへの強さを追求している感じだと思います」
P編&筆者 「ぐっ………。(たしかに、いつもヘタレスイングで低いスライスばかりなのに、今日はめちゃくちゃいい球しか打ってないなぁ〜)」
筒 「Kさんは、ヘッドスピードが41m/sくらいだし、少しアーリーリリースでインパクトで球を潰せず、サラッと流すように打つタイプですよね。基本カット軌道で打ち出しも低いし、スピン量で球を吹き上げるパワーもない。そりゃ、ドンピシャにハマりますよ、『G710』が。村田さんや長岡さんが自分たちのパワーや技術でやってることを、『G710』が代わりに補ってくれる上にミスにも強いんですから!」
P編 「加藤ちゃん、ズルいよ。これ使っちゃダメ! ドーピングは禁止ね?」
筆者 「ほんとですよ、加藤さんのための【厚底シューズ】みたいで、マジでズルいです!」
ALBA編集K 「(大声で)オイッ!!!(これマジで買おうっと)」
Text/Mikiro Nagaoka