今回は、その『フォージファイバー ボア』を試履しつつ、ラウンドする機会を設けていただいたので、その履き心地などをインプレッションしていこうと思います。
フォージファイバーテクノロジーって何?って思ってシューズを手に取ると…「え?軽くない!」
そもそも“糸”を使うことでどんなメリットがあるのか…、まず補強材を使わないで済むため大幅な“軽量化”を図ることができます。たしかに手に持ってみても、かなり軽い。そして、柔らかい質感や通常の皮革製品よりも高い通気性を持たせることができるのもポイント。18ホールを終えると、スパイクの中はどうしても蒸れるものですから、通気性が高いのは嬉しいポイントですね。
特筆すべきは“横ズレ”の少なさ!ニット系シューズなのに防水性も…
まず、一番気になる“糸”を採用したことによるシューズのフィット感ですが、お世辞ぬきにかなり快適に感じました。いわゆるゴルフのスパイクにありがちなアッパーの硬さがなく、それでいてゆるゆるな感じもない。今まであまり感じたことのない履き心地でした。
最近ではニット素材のアッパーを採用したスニーカーなどをよく見かけます。私もスニーカーを購入して履いたことがありますが、そのときはニットならではやわらかさが全面に出ていて、履いていてラクだけど、運動には不向き、という印象でした。しかし、『フォージファイバー ボア』は熱処理を加えて、部分的に糸を硬化させているので、足になじむようにフィットしつつ、ズレもしないし、動きも妨げないといった具合。よくできているな〜と素直に感じました。
コースを歩いていても、足元に違和感を感じることがまったくなく、傾斜でも足への負担が少なく感じました。糸の技術に加えて、特殊なスパイクレスソールの技術もレベルが高いということでしょう。グリップ力がしっかりあるので、いい意味でスパイクレスという感じがしませんでした。
特筆すべきは“横ズレ”の少なさでしょうか。どんなスパイクでもスイング中や、斜面を歩いているときなど、横方向に負荷をかけたときに少しズレを感じるものですが、このスパイクはそのズレる感覚がかなり少ない。おそらくアッパーが糸で作られているため、状況に合わせて、適度に変形してくれるのでしょう。この辺に、糸を使った意味がありますね。
褒め過ぎな気もしますが、スパイクとしての完成度はかなり高いと思います。9ホールのプレーを終えても、シューズ内の蒸れが少なく、足の疲労もかなり少なく感じましたし、満足度は高め。なかなか病みつきになりそうな履き心地のスパイクレスシューズでした。
とはいえ、アディダスがうたう“糸フィット”はかなり面白いテクノロジーです。スパイクレスシューズとして2万円を超えるのは高額な印象もありますが、それだけの性能は備わっています。この記事を読んで気になった方は、まずお店などで試着してみることをおススメします。(取材・執筆/田辺直喜)