数多く登場している、新興ツアー系ボール
そんな中、数年前から徐々に認知度を高めているのが『スネル』だ。キャスト・ウレタンカバーの3ピースボール『スネル MTB』は、瞬く間にアスリートゴルファーを中心に使用者を増やし、昨年は『MTB BLACK』と『MTB RED』という二機種を発売した。今年はさらに『MTB RED』の後継モデルとして『MTB-X』が発売予定。イエローのカラーボールもラインナップされるという。もはや知る人ぞ知るボールではなくなった感がある。
また、それほど知名度はないものの、ドイツの企業が発売している『Vice GOLF』でもウレタンカバーのツアー系ボールを扱っている。こちらも1ダース4000円弱程度という価格の安さが魅力だ。『スネル』、本間、『Vice GOLF』と、安価で高性能なツアー系ボールという新たなカテゴリーが生まれつつある。
中心を空洞にする事で、重心がより外側になりスピン量を軽減させるという「中空金属コアボール」がウリなのが、『ONCORE ELIXR(オンコア エリクサー)』だ。96年にダンロップから発売されたボールで、中間層にタングステンを配合しスピンの持続性を高めるという『ツアースペシャル メタルミックス』というモデルがヒットした事があるが、外側に重量配分するアイデアは現代でも有効のようだ。
ゴルフボールはその上下左右の重心を取ることが難しいというのが同社の主張だ。これは、水に浮かべて、もっとも均一性に優れていたブリヂストンのボールを選んだという、ブライソン・デシャンボーのエピソードにも重なる話だろう。結果の均一性がより重要視されるツアー系ボールとしては、このあたりの追求が今後も進むかもしれない。