ボールを変更して、際立った強さを見せた
マット・クーチャーは、193センチという長身ながら、飛距離はツアーで下から数えたほうが早い、いわゆる飛ばないプレーヤーだ。ツアー屈指の飛ばし屋であるダスティン・ジョンソンと同じくらいの身長なので、パワーの面では物足りなさがあるのは否めない。
したがって、コースマネージメントとショートゲームの上手さで勝負するのがクーチャーのプレースタイルだ。ツアー通算9勝、過去賞金王にもなった実績は、卓越したボールコントロールとアプローチの上手さによるものだ。ブリヂストン契約プロとしても知られる彼だが、愛用していたボールはより軟らかくスピン性能の高い『TOUR B XS』。タイガー・ウッズの使用球としても知られており、日本でもトップアマを中心に使用者が増えているボールだ。
しかし、以前のコラム「マット・クーチャー 4年半ぶりの優勝の裏に使用ボールの変更あり」ですでに紹介したように、「マヤコバ・ゴルフクラシック」での優勝の際、クーチャーが選んだのは、よりしっかりした打感の『TOUR B X』だった。「マヤコバ」のときには試験的に使用し、今後は未定ということだったが、最終的に『TOUR B X』が定着したということだろう。
クーチャー自身は『TOUR B XS』から『TOUR B X』に変更した理由について、「アプローチスピンの高い性能がありながら、ロングショットでは逆にスピンを抑えることが出来、『TOUR B JGR』ドライバーとの組み合せで初速も出て、飛距離が伸びている」とコメントしている。強い風が吹くワイアラエCCで驚異的なショットアキュラシーを見せた理由の一端はこのあたりにもありそうだ。