伝統的なディープバックは減少傾向に
一方、伝統的な形状を維持したモデルも若干だが存在している。『TOURWORLD TW747 455』は、同時に発売された『460』よりもヘッド後方が高く、構えたときの見た目もコンパクトになっている。ヘッド体積では5ccしか違わないものの、この違いから『455』は一回り以上締まって見える。ヘッド後方の頂点からヒールにかけてのラインがスリムになっていて、伝統的な洋ナシ形状を思わせる。
伝統的な形状を維持するというルールからすれば、こうしたディープバックのヘッドのほうが王道だろう。パーシモン時代のゴルファーがタイムスリップしたら、違和感なく選ぶのはこちらのはずだ。
ディープバックのヘッドは、メリットも多い。重心深度が浅くなるので、さらに低スピンになりやすく、操作性が高くなる。シャローバックの現代風ヘッドと比較すると、同じヘッド体積と同じ重量であっても、重心位置が近いのでより振り切りやすい。シャフトの挙動が安定しやすいのもこちらだろう。
かつては、上級者モデルとして愛好されたディープバックだが、ツアープロのほとんどが現代風のシャローバックを使用する今日、すでに絶滅危惧種になったといっても過言ではないだろう。今後はさらにその数が少なくなる可能性も否定できない。