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松山英樹とビック3の差はギア? 最新ドライバーの飛距離は伸びているか!?

text by kazuhiro koyama

配信日時:2016年6月3日 19時20分

旧モデルを使用する、松山英樹の飛距離

2008年モデルのZR30を使用している松山英樹 getty images

2008年モデルのZR30を使用している松山英樹 getty images

 松山英樹が2008年に発売されたダンロップの「スリクソンZR30」というドライバーを使い続けているのは有名だ。プロ入り後、何度となく別のドライバーを試したようだが、結局このクラブに戻っている。打感など、どうしても他のクラブには変えられないものが、この「ZR30」にあるのだという。

 「ZR30」は、420ccと小ぶりで操作性が高く、それでいて左にひっかけにくく、ボールが吹けあがりにくいのも特徴だ。パワーとショット力を兼ね備えた松山がいかにも好みそうな特性だが、発売後、すでに8年が経過し、現在では残念ながら飛ぶクラブとは言いがたい。

 ここぞという時に、豪快なショットで狭いフェアウェイをキープするドライバーは、松山の武器のひとつになっている。飛距離と正確性の目安になるトータルドライビングの成績は、現在ツアーで38位だ。しかし、世界ランキングで上位に連なる選手と比較すると、正確性はともかくも、飛距離の面で遅れを取っている感は否めない。

 ジェイソン・デイやローリー・マキロイは、ボールもクラブも毎年のように変更し、パフォーマンスの向上につなげている。マキロイは今季、ボールを変更し、4番アイアンで数ヤードの飛距離増につなげたという。もちろん、1ヤード単位で争うトッププロの世界だけに、飛距離が伸びるのもリスクに繋がるはずだが、彼らは変化を怖れずに最新ギアを投入し、その恩恵を成績に結びつけている。

 個人的に言えば、野武士然とした松山の求道者風のスタイルを考えた時、安易にギアに頼ってほしくないという想いがする。いつまでも「ZR30」を使うのも松山らしいと思える。しかし、変わらない事が、トップ選手とのさらなる差を生むこともあり得る。

 今後、世界ランキングでトップクラスの選手と戦うには、ショートゲームと並んで、ドライバーの飛距離アップは課題になるだろう。それには、松山のパワーを余すところなく発揮できるギア選びがカギになる。近未来において、飛距離を伸ばした松山が、デイやマキロイをオーバードライブしたら、さぞかし痛快だろうと思う。

コヤマカズヒロ / ゴルフコラムニスト

雑誌・WEB媒体にレッスンなどのゴルフ記事を執筆。 99年に大手ゴルフショップチェーンの立ち上げに参画。 ゴルフギアに関しては、性能面はもちろん製造・流通まで 幅広い知識のある異色のライター。 1974年 広島生まれ

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