スナップ式のマウントを身体、クラブに装着し、8つのカメラで撮影すること(※最低3機あれば計測可能)でスイングのありとあらゆる動きを解析できる同システム。一見してみると大掛かりな装置(←装置写真)のようだが、屋外でも1時間程度あれば設置することができるなど“意外と”簡便であるといった印象を受けた。
スイング軌跡はもとより、解析項目はシャフトしなりをはじめ、インパクト時の打点別ロフト角など多方面におよぶ。1度のスイングに対し、1秒間に600枚以上のデータ解析を行い、グリップとヘッドも計測対象となるのでシャフトしなりも含めてのスイングにおける重要な動きを解析できるというのだ。
低速度で取得したスイングデータのギャップを埋めた推定値(※計測した各スイングポイントの間、計測していない範囲をアルゴリズムで補完したもの)ではなく、“計測値”であることが「GEARS」の売りであろう。
ここまで詳細なスイング解析は、トッププロ、もしくはスイングが安定したアスリートゴルファーくらいまでしか必要ないのでは?と感じる人もいるかもしれないが、スピースが“MRI”と評したように、現時点での自身のクセや、やりがちなミスを個人の主観ではなく、目に見える“カルテ”として残せることはアベレージの成長にも大きな効果をもたらすだろう。そのデータをスマートフォンに保存できるとすれば、“転院(=教えてもらうコーチを変更)”しても、適切な診察を続けていくことができる。
日本では今後普及を促す動きが出始めたばかりで、解析データをスマートフォンで持つためのアプリなどは当然まだないのだが、すべてのアマチュアゴルファーが自身のスイングカルテを持ち歩く時代が近い将来訪れるかもしれない。