アルバでは、デザイナーのマイク・ジョンソン氏にインタビューを敢行。パター作りに対する思いや今後の展望について聞いた。
――「ピレッティ」と他のメーカーの違いは何ですか?
大きな違いはパターの製法だと思います。多くのメーカーはキャスト(金属を溶かして型に流し込む)製法ですが、我々はミルド(削りだし)にこだわっています。材料も厳選して最高のものを使っていますし、仕上げも美しいものにしています。キャスト製法に比べると、コストは約80%高くなりますが、製品誤差の極めて少ないパターを作ることができます。
――他にこだわっている点はありますか?
パターヘッドの重量を他のメーカーよりも重く設定します。(365g〜)これは身体の大きい筋肉を使うことで、手打ちにならずヘッド軌道を安定させる狙いがあります。また、他のメーカーはシャフトの長さが変わっても同じヘッドで対応しますが、我々は長さ別にヘッド重量を変えています。本来、シャフトを短くする場合にバランスを考えると、ヘッドを重くする必要があるからです。また、形状にもこだわっていて、同じピン型のヘッドでもフェースからフリンジまでの幅を約6mm厚くしています。重量を重くすると共に、見た目の安心感も出すためです。
――素材へのこだわりを教えてください。
「ピレッティ」パターの多くのモデルに「11L17マイルドスチール」という素材を使用しています。これは最高級のカーボンスチールで、やわらかい打感のパターに仕上がります。また、パターにおける最高の素材はジャーマンステンレススチール(GSS)だと思っています。希少な素材で、製造工程でも手間がかかるため、かなり高額なパターになってしまいますが、やわらかい打感の中にもしっかりした感触が残る最高のパターを作れます。
――今後の目標はありますか?
次の「スコッティキャメロン」になれるよう頑張っています。「スコッティキャメロン」はライバルと呼べるかもしれませんが、それ以上に私にとって尊敬する存在です。パターメーカーとして同じようなプロセスで誕生していますし、彼はそこからひとりでパターを作り続け、最終的に大きなメーカーと提携しました。