ところが、今季はCRAZYとは別の【地クラブ女子】へと歩みを進めていた。クラブ契約フリーの立場は変えずに今季は【RODDIO女子】と化し、飛ばしを失うことなく、コントロール性を重視している。
葭葉は「いまは毎回セッティングを替えながら、試行錯誤している状態です。ただ、この試合のセッティングは今後もいけるかなと感じています」と、直近の出来に手応えを口にする。
RODDIOのウッドは今季の途中から試しており、4月の終わりに3Wを入れたのを皮切りに、5月の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で1W、5Wを投入。6月の全米女子オープン時に3Uを入れ、RODDIOにウッドが統一された。ところが、これは完成ではないのだとか。
細かい調整はコーチとメーカー担当者が話し合い、工房などで手入れした後に葭葉の手元へ。葭葉いわく「私はスイングしても違いが分からないくらい(笑)」の微調整が、なんと試合ごとに行われている。RODDIOならでは、ヘッド内部に自在に鉛を貼り直せる上、スクリューやソールなど各種パーツで変幻自在な【超チューニングヘッド】を最大限に活かす考えで、葭葉のスイングや調子に応じて自在にヘッドが変化するのだ。
RODDIOの開発責任者・楠本晴信氏によると、葭葉のウッドは「飛距離は出るようにしながらも、今はしっかりと方向性をコントロールできる仕様の方向で調整をしています。もっと飛ばそうと思えば、そこだけ追及することも可能ですが、コントロールしやすさが今は求められていますので」とのこと。
その新たなる試みは、今のところ試行錯誤中でありながら、各種スタッツを引き上げる結果となっている。葭葉の状態に即応可能の【超チューニング】のおかげか、飛距離を落とさずにFWキープ率を上げており、パッティングが良くなっていることもあって平均ストロークが0.6打以上良くなっている。(別画像参照)
今季の序盤はブリヂストン『JGR HF2』だったアイアンは、『TOUR B X-BLADE』のマッスルバックに替わっている。また、先週からはウェッジを新たなものに。ともにタイトリストで52°が『ボーケイSM7』、60°が『ボーケイフォージド』へと変更。なおパターは「2試合目(PRGRレディス)から変えていない」(葭葉)とのこと。
クラブ契約フリーの立場を活かし、バッグの中身をどんどん替えていく葭葉ルミ。モデル自体は変わらずとも、ヘッド内部で調整可能なRODDIOという頼れるメーカーとのタッグで、今季のアン・ソンジュのようにクラブを替える度に強くなる目論見か。新たな試みは道半ばだが、今のところ、正しい方向へ向かっていると言えるだろう。
【葭葉ルミ、日本女子プロ選手権のクラブセッティング】
1W:ロッディオ タイプM
(9°、CRAZYロイヤルデコレーション、45.75インチ/X)
3W:ロッディオ(15°)
5W:ロッディオ(16.5°)
3U:ロッディオ(21°)
4I:ブリヂストンTOUR B X-BL
5I〜PW:ブリヂストン TOUR B X-BLADE
AW:タイトリスト ボーケイSM7(52°)
SW:タイトリスト ボーケイフォージド(60°)
PT:ナイキ ORIGIN