ダンロップ勢の未発表ドライバー使用者が4連勝!
秋口に川崎春花、尾関彩美悠と、フレッシュな選手のツアー初優勝が続くなど、常に話題に事欠かない女子ツアー。直近では尾関に続き、山下美夢有、勝みなみ、小祝さくらと『スリクソンZXプロトタイプ』という未発表1Wを入れたダンロップ勢の怒涛の4連勝があったばかり。
今年のエンゼルス・大谷翔平が6月頃に連敗ストッパーとなり「大谷翔平しか、勝たん!」と話題になったが、言うなればこれと同じ状況がずっと続いていることになる。今季の女子は「オデッセイしか、勝たん!」に近い状況なのだ。
どんなモデルが勝っている?
では、オデッセイの【どのモデルが勝っていたか?】。順位に直して集計してみると、当然だが、下記のように複数勝利しているプロの使用モデルが上位に来ていた。
1位―5勝、WHITE HOT OG ROSSIE(西郷真央)
2位―3勝、WHITE HOT OG 2-BALL BLADE(山下美夢有)
3勝、WHITE HOT OG #1W CS(サイペイイン、岩井千怜)
4位―2勝、WHITE HOT OG #7 S(西村優菜)、2-BALL ELEVEN CH(菊地絵理香、イ・ミニョン)、TEN TRIPLE TRACK(青木瀬令奈、小祝さくら)、O-WORKS ♯1(勝みなみ)
これは全体使用率から考えれば、当然の数字か。何しろ、秋で出場者が絞られる直近大会でも、108人中71人(使用率65.7%)がオデッセイだ。2位のテーラーメイドが16.7%で、3位のピンが11.1%となれば、これだけ多くの選手が使い慣れ、距離感の出しやすいインサートが勝つのも当然だと言える。
女子だけじゃない。男子は20戦13勝!
最多勝モデルは3勝で比嘉一貴と稲森佑貴の『ELEVEN』。続いて2勝が今平周吾の『2-BALL TEN』と、マレット型の【勝ちパター】がより目立つ。調べてみると、女子ツアーではマレット:ブレードの割合が「17勝:15勝」とほぼ半々だったのに対し、男子ツアーでは「15勝:5勝」となっていた。
その増えた選択肢に、元々マレットが優勢な男子プロたちも、グリーンに合う「ホワイト・ホット」インサートの最適モデルを自由に選んで結果に繋げていた。
最も“契約フリー”で選ぶから、実は一番注目すべき!
当たり前だが「パット・イズ・マネー」で、その成否は死活問題。だからこそ、何十年も前から数多のクラブメーカーが【パターの使用契約を外している】ことがほとんどだった。(昔から契約で縛るのはPINGくらい?)ダンロップ勢の4連勝も全てオデッセイなのは、彼女たちがパター契約フリーだからである。
そんな目線で見ると、パターの場合は【使用率】も【勝率】も、数字の持つ意味合いが全く変わってくる。生活・成績のために、何にも縛られずにプロたちが選んだ結果、「オデッセイしか、勝たん!」。この勝率を巻き返せるメーカーは、残り試合を考えれば【皆無】だろう。
Text/Mikiro Nagaoka